ダイハツ工業の労働組合 春闘でベア要求見送り 信頼回復を優先

「ダイハツ工業」の労働組合は、ことしの春闘で基本給の底上げにあたるベア=ベースアップの要求を見送ることを明らかにしました。ダイハツの労働組合がベアの要求を見送るのは11年ぶりで、会社による国の認証取得の不正問題を踏まえ、信頼回復に向けた取り組みを優先した形です。

ダイハツ工業の労働組合は14日、経営側に春闘の要求書を提出しました。

この中では、基本給の底上げにあたるベアについては要求を見送り、ボーナスにあたる一時金については5か月分を求めるとしています。

ダイハツの労働組合がベアの要求を見送るのは2013年以来、11年ぶりで、一時金の要求も過去最低水準だとしています。

ダイハツは国の認証を不正に取得していた問題を受けて、主力の軽自動車、「タント」などの生産停止が続いています。

さらに来月には経営体制を刷新し、再発防止や生産再開に向けた取り組みなどを進めることになりました。

ダイハツの労働組合はNHKの取材に対し「会社の今の状況から、労働組合としても、まずは会社の信頼回復を最優先に進めなければならない。雇用を確保するという観点でもベアを求めない結論となった」としています。

去年の春闘では、ダイハツは物価の高騰などを踏まえて、ベアを含め、月額1万1200円の賃上げで満額回答していました。