片づけ中 ブロック塀に挟まれた男性死亡 石川県が注意呼びかけ

石川県七尾市で今月10日、被災した建物の片づけ作業中に倒れてきたブロック塀に挟まれ意識不明の重体となっていた60代の男性が死亡しました。

今月10日、七尾市一本杉町にあるしょうゆ店で被災した建物の片づけ作業中に、ブロック塀が倒れて60代の男性が塀に挟まれました。

男性は意識不明の重体で病院に運ばれましたが、関係者によりますと、その日に死亡が確認されたということです。

警察によりますと、ブロック塀は高さおよそ1メートル30センチ幅およそ3メートル30センチで、亡くなった男性を含めた数人で片づけ作業をしていたときに突然倒れてきたとみられるということです。

石川県“安全確保の徹底を”

石川県は、被災地ではこれまでも安全を確保しながら復旧に向けた作業が行われているものの、今回の件を踏まえて改めて注意を呼びかける必要があるとして、災害ボランティアの受け入れを調整している社会福祉協議会に対し、安全確保の徹底を図るよう通知を出しました。

通知では、応急危険度判定で赤の「危険」や黄色の「要注意」とされた家屋やブロック塀の近くで活動する際には、事前に建築士などの専門家からアドバイスを受けることが望ましいとしています。

また、活動する前に余震や津波を想定して避難場所や避難ルートを確認するよう促すことや、雪が降っているときは転倒や交通事故のリスクが高くなることを考えて活動時間の短縮などを検討することを求めています。

被災地での片づけ 注意すべきことは

被災した建物などで片づけを行う場合、どんなことに注意すべきなのか。

地震防災の専門家への取材や内閣府の防災情報のウェブサイトなどから気をつけるポイントをまとめました。

服装
・ヘルメットや手袋を身につける
・安全靴や長靴を履く(釘などを踏む可能性もある)
・マスク(感染症対策だけでなくほこりや砂の吸い込み防止にも)

作業を行う場所の周辺確認
・上から落ちてくる物がないか(瓦や看板、電線など)
・足元の状況(道路の隆起や陥没)
・近くに建物やブロック塀などがある場合は細心の注意を払う
・津波を想定して近くの高台や避難先を事前に確認しておく

片付け作業中
・緊急地震速報や揺れを感じたらすぐに作業を中断して安全を確保する
・1人ではなく複数人で行動・作業する

名古屋大学 福和伸夫 名誉教授
「被災地ではいつ大きな揺れがあるかわからないので、作業を行う前に周辺にどんな危険物があるかをよく見極めることが大事です。ボランティアの人々は被災地で活動の経験があったり、現地に入る前に服装や注意事項の説明を受けていたりするので、住民の方々も同じようにけがをしない対策をして片づけを行ってほしいと思います」