楽天グループ決算 最終損益3394億円の赤字 5年連続の赤字に

楽天グループの去年1年間の決算は、携帯電話事業で赤字が続いていることから、最終的な損益が3394億円の赤字となりました。5年連続の赤字で、業績の改善に向け携帯電話事業の早期の黒字化を目指すとしています。

楽天グループが発表した去年1月から12月まで1年間のグループ全体の決算は、ネット通販や金融事業が好調で売り上げは2兆713億円と前の年と比べて7.8%増え、過去最高となりました。

その一方で最終的な損益は3394億円の赤字となりました。

赤字は5年連続で、携帯電話事業で基地局の設備投資の負担から赤字が続いていることが大きな要因となっています。

ただ、携帯電話事業は、KDDIの回線を借りる契約によって設備投資の規模を先送りした効果などで赤字額は前の年と比べて縮小し、会社は、法人向けの契約を強化するなどして早期の黒字化を目指すとしています。

一方、会社は、基地局の整備などのために多額の社債を発行し、ことしから来年にかけておよそ8000億円にのぼる償還を控えています。

このうち、ことしの償還については、社債の買い入れと新たな発行を組み合わせて償還の時期を分散化するほか、子会社の銀行の一部の株式の売却を決めるなどして資金の確保を進めています。

来年に控える残り4000億円規模の償還にあたっては、引き続き、財務基盤の強化が課題となります。

三木谷浩史社長は会見で「さまざまな資金繰りの改善計画によって2024年度以降のファイナンスについても基本的にはそれほど心配することはないと考えている」と述べました。

三木谷社長「去年はダイエット活動を行ってきた」

楽天グループの携帯電話事業の契約回線数は、去年12月末時点で609万と、1年間で163万増えています。

一方、基地局などの設備投資について、去年1年間で2000億円規模に抑える目標に対し、1700億円余りまでさらに削減を進めたとしています。

三木谷社長は会見で「2022年までの間は、急速な基盤構築ということで歴史的な投資を行い、(その後は)とにかくダイエット活動を行ってきた。今後は、楽天会員、楽天の取引企業を相手に利用者数を増やしていきたい」と述べました。