米下院 共和党が国土安全保障長官を弾劾訴追する決議案を可決

アメリカ議会下院で多数派を占める野党・共和党は、マヨルカス国土安全保障長官が法的な手続きを経ずに国境を越えて入国を試みる人の急増に対応できていないなどとして、長官を弾劾訴追する決議案を可決しました。秋の大統領選挙を前に、バイデン政権が国境問題をめぐる対策を怠っていると印象づけるねらいとみられます。

アメリカでは、メキシコとの国境で法的な手続きを経ずに入国を試みて拘束される人が急増していて、国境警備当局によりますと、昨年度247万人を超え、3年連続で過去最多を更新しました。

議会下院で多数派を占める野党・共和党は13日、国境管理を担当するマヨルカス国土安全保障長官を弾劾訴追する決議案を賛成多数で可決しました。

決議案はマヨルカス長官が「数百万の外国人を不法に入国させた」として、国境を越えて入国を試みる人の急増に対応できていないなどとしています。

ただ、議会上院は民主党が多数派で、弾劾裁判が開かれても、マヨルカス長官は無罪となる見通しです。

共和党としてはことし11月の大統領選挙を前に、バイデン政権が国境問題をめぐる対策を怠っていると印象づけるねらいとみられます。

バイデン大統領は13日、声明を発表し、「共和党議員が根拠のない弾劾訴追を推し進めた」と非難したうえで、国境問題の解決に向け、超党派で取り組むよう訴えました。