全国的に季節外れの気温 札幌で2月中旬として55年ぶり10度超に

13日は全国的に暖かい空気が流れ込み3月から4月並みの季節外れの気温となり、北海道では札幌市で2月中旬として55年ぶりに10度を超えるなど記録的な暖かさとなりました。15日にかけて平年と比べて気温がかなり高くなる見込みで、積雪が多い地域では雪解けによるなだれなどに十分注意が必要です。

気象庁によりますと13日、日本列島は高気圧に覆われて晴れ、南から暖かい空気が流れ込んで気温が上昇しました。

日中の最高気温は
▽宮崎市で20.6度
▽愛媛県宇和島市で19.1度
▽島根県益田市で18.2度
▽富山市で17.8度
▽静岡市で17.4度
▽東京の都心で17.3度
▽和歌山市で16.8度
▽福島市で15.8度などと
3月下旬から4月中旬並みの暖かさになりました。

このほか、北海道では
▽白糠町で10.2度と2月として統計史上初めて気温が10度を上回ったほか
▽札幌市でも10.1度と2月中旬としては1969年以来55年ぶりに10度を超え、各地で記録的な暖かさとなりました。

14日以降も気温は全国的に高い見込みで日中の最高気温は
▽静岡市と宮崎市で21度
▽前橋市で20度
▽横浜市や金沢市、鳥取市と松山市で19度
▽東京の都心と大阪市で18度
▽仙台市で17度
▽札幌市で10度などと予想されています。

さらに15日は日中の最高気温が東京の都心では4月中旬並みの19度と予想されるなど、平年と比べて気温がかなり高くなる一方、朝との寒暖差が大きくなる見通しです。

また、15日は全国的に雨が降り積雪の多い地域では雪どけがさらに進む見込みで、積雪の多い地域では屋根からの落雪や雪崩、融雪による土砂災害に十分注意してください。

能登半島地震の被災地はこれまでの地震で地盤が緩んでいるため、気象庁は少ない雨でも土砂災害が起きるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

札幌 コートを脱いで歩く人の姿も

札幌市中央区では、温かい日ざしが差し込むなか、コートを脱いで歩く人の姿も多く見られました。

家族で上海から観光に来たという女性は「とてもあたたかいです」と話していました。

また、観光で東京から来たという80歳の女性は「着込んできたのですが思ったより暖かいです。東京と変わらない気温でいいですね。お土産を見たり、散歩したりしたいです」と話していました。

札幌市の37歳の男性は「例年はまだ氷点下だと思うので珍しいと思います。暖かいのはいいことですが、夜になると道が凍るので車の運転は怖いと思います」と話していました。

北海道留萌 落雪に注意呼びかけ

この冬、記録的な大雪になっている北海道留萌市は13日、最高気温が7.8度と4月上旬並みの暖かさとなり、消防が住宅街をパトロールして、屋根からの落雪に注意するよう呼びかけました。

留萌市では
▽この冬に降った雪の量が5メートルを超えていて
▽13日午後3時時点の積雪が平年の2倍以上にのぼるなど、記録的な大雪となっています。

13日は留萌市でも気温が上がり、日中の最高気温は7.8度と4月上旬並みの暖かさとなりました。

市内では道路脇に大量に積み上げられていた雪がとけて路面に大きな水たまりができ、行き交う車は水しぶきが上がらないようスピードを落として走っていました。

また、地元の消防隊員が住宅街をパトロールし
▽屋根から雪が落ちそうになっている住宅がないか確認したほか
▽消防車のスピーカーで落雪や雪下ろし中の事故に注意するよう呼びかけました。

屋外スケートリンクは中止に

最高気温が10度を超えて、4月並みの暖かさとなった北海道帯広市では、屋外に設置されたスケートリンクの氷がとけ、13日のリンクの開放を中止しました。

JR帯広駅近くの広場では、例年、冬場に市民グループが屋外スケートリンクを整備し無料で開放していて、今シーズンは先月末までにおよそ5800人が訪れています。

ただ、13日の帯広市は最高気温が10.8度と4月並みの暖かさとなり、市民グループのメンバーがリンクの状態を確認したところ、氷の表面がとけて転びやすい状態になっていたということです。

このため、安全が確保できないとして、13日のリンクの開放を中止しました。

市民グループのメンバーの大野福公さんは「これだけ氷がとけてしまったのは初めてで、びっくりしています。今後も状況を見ながら判断していこうと思います」と話していました。

帯広市では、14日も季節外れの暖かさになると予想されていて、市民グループは、今後、気温が下がって氷の整備ができ次第、リンクの開放を再開したいとしています。

また、14日以降の状況については「トカチアイスパークプラス」のホームページやSNSで確認してほしいとしています。

「氷濤まつり」の会場は

北海道では、冬の観光シーズンのピークを迎える中、異例の暖かさとなり、関係者は対応に追われています。

北海道千歳市の支笏湖で先月末から今月25日まで行われている「氷濤まつり」は大小合わせて30の氷のオブジェが展示され、毎年10万人余りが訪れる冬の人気のイベントです。

実行委員会によりますと、この暖かさでけさはオープン前から氷のオブジェが溶け始めたため、柵で囲って人が立ち入れないようにしたり、入り口を断熱材で覆って氷が溶けるのを防いだりしたということです。

また、会場の目玉の1つで支笏湖を眺めることができる高さおよそ8メートルの氷の展望台も、13日は入り口に安全柵を設置して立ち入り禁止にしたということです。

気象台によりますと、支笏湖畔の日中の最高気温は、午後2時12分に7度と、平年よりも8.5度高くなりました。

札幌市から親子4人で訪れたという30代の男性は「思ったより暖かいですが風は強いです。氷が溶けて一部落ちていましたが、それでも氷の像には圧倒されました」と話していました。

十勝の清水町から訪れたという50代の男性は「オブジェの入り口に柵があり、中に入ることができず残念でしたが、珍しいものが見られて良かったです」と話していました。

支笏湖まつり実行委員長の小林典幸さんは「この祭りに関してはこの暖かい気温は本当に適さないです。状況としては最悪ですが、安全第一に今後も気温の上がり具合を見ながら対応します」と話していました。