富山湾 海洋深層水を深海からくみ上げる取水管 地震影響で切断

富山湾の深海からくみ上げた海洋深層水を水産加工などに利用している富山県入善町の施設で、海水をくみ上げる取水管が能登半島地震による海底の地滑りの影響で切断されていることが町の調査でわかりました。

富山湾の水深380メートル付近からくみ上げている海洋深層水は、1年を通じて2度前後と低温であるのに加え、不純物が少ないなどの特徴を生かして、養殖かきの洗浄などに利用されています。

ところが能登半島地震の発生以来、くみ上げた水の温度が海水面の温度と同じ程度まで上昇する異変が起きていたため、入善町では1月下旬に無人の探査機を使って海底を調査しました。

その結果、取水管が水深100メートル付近で切断され、深層水をくみ上げることができなくなっていることがわかりました。

調査を担当した大手ゼネコンなどによりますと、海底で地震による地滑りが発生したのが原因とみられるということです。

また、ことし春の完成を目指し、町が建設していた新たな取水施設も、被害を受け使用できなくなりました。

町内では、サーモンの陸上養殖が計画されるなど、海洋深層水は今後のまちづくりに必要不可欠な地域資源だとして、入善町は、新しい取水管を取り付ける復旧工事を行うことにしています。