石川 珠洲 「すずバス」一部で試験的に運行再開で喜びの声

能登半島地震の影響ですべての路線で運休となっていた石川県珠洲市の路線バスが13日から一部で試験的に運行が再開され、利用者からは喜びの声が聞かれました。

珠洲市からの委託を受けて市内の8つの路線を運行していた「すずバス」は、地震直後から運休が続いていましたが、道路の一部が復旧したことなどから13日午前、5つの路線で試験的に運行を再開しました。

このうち、海沿いの地区を走るバスには買い物に行く人などが乗り込み市の中心部に向かっていました。

避難所に身を寄せているという81歳の女性は「久しぶりにバスが動くので、息抜きしたいと思って楽しみにしていました。天気もいいし、気分がいいです」と話していました。

買い物に出かけるという75歳の女性は「運転免許がなくほぼ毎日バスを使っていました。冷蔵庫が空っぽです。家族が食べたがっている魚を買いたいです」と話していました。

また、火曜と木曜限定で避難所と市役所や病院などを結ぶ路線も臨時に運行され、病院に向かうために利用した78歳の女性は「地震の前から通院を続けていたので安心しました」と話していました。

「すずバス」の上野明男事務局長は「道路状況がよくなく、本数が少なかったり予定よりも遅れたりする場合もあるかもしれませんが、震災前のように、通学や通院などに大いに利用してもらいたいです」と話していました。

被災した運転手たちが運行支える

13日珠洲市で再開した路線バスは被災した運転手たちが運行を支えています。

「すずバス」の稲荷博仁さん(68)は、40年以上バスの運転手として働いてきました。

今回の地震で自宅は基礎にひびが入るなどの被害を受けたため、いまは市内の避難先に身を寄せています。

自宅から、服や下着など最低限の荷物を持ち込み、職場の同僚から譲ってもらった布団で寝泊まりしながら勤務を続けることにしています。

稲荷さんは「朝はパンを食べ、昼と夜は買ってきた弁当を食べる毎日です。自宅に戻れないさみしさはありますが、地元から逃げたくないという思いです」と話していました。

そのうえで、運行が再開されたことについて「うれしいです。あちこち壊れたままですが、前に進んでいるのかなと思います。少しずつ元に戻っていけばと思います」と話していました。