季節外れの暖かさに さらに気温上がる予想 雪崩などに注意を

13日は全国的に暖かい空気が流れ込んで気温が上がり、季節外れの暖かさとなっています。このあとさらに気温が上がると予想され、積雪が多い地域では雪解けによる雪崩などに十分注意が必要です。

気象庁によりますと日本列島は高気圧に覆われて晴れ、南から暖かい空気が流れ込んでいるため午前中から気温が上がっています。

午前11時までの最高気温は
▽鹿児島県枕崎市で17.5度、
▽徳島県海陽町で16.3度、
▽千葉県鴨川市で16.1度、
▽静岡市で15.4度、
▽岩手県宮古市で12.7度、
▽函館市で10度ちょうどなどとなっています。

このあとさらに気温が上がる見込みで、日中の最高気温は
▽宮崎市で20度、
▽福岡市で18度、
▽東京の都心や高知市、富山市で17度、
▽大阪市や広島市で16度、
▽仙台市で15度
▽札幌市で10度などと4月並みの暖かさが予想されています。

14日以降も全国的に気温が高く、特に15日は日中の最高気温が東京の都心で20度と4月下旬並みと予想される一方、朝との寒暖差が大きくなる見通しです。

また、15日は全国的に雨が降り積雪の多い地域では雪どけが進む見込みで、屋根からの落雪や雪崩、融雪による土砂災害に十分注意して下さい。

能登半島地震の被災地はこれまでの地震で地盤が緩んでいるため、気象庁は少ない雨でも土砂災害が起きるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

専門家“「全層雪崩」発生のおそれ”

今週から来週にかけての季節外れの暖かさについて、専門家は積雪の多い地域では雪どけが進むおそれがあるとして「山沿いを中心になだれや融雪による土砂災害、屋根からの落雪に注意が必要だ」と呼びかけています。

日本列島には暖かい空気が流れ込むため、15日ごろにかけて各地で4月並みの気温が予想されています。

防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの中村一樹センター長によりますと、この暖かさで積もった雪の一部が溶けて、水が地面まで浸透しやすくなるということです。

その結果、積雪の多い斜面では積もった雪全体が滑りやすくなって崩れる「全層雪崩」が発生する危険性があるとしています。

雪崩は時速数十キロと自動車並みのスピードで一気に流れ下るため、非常に危険です。

中村さんは「前触れとして積雪にひび割れが見えることがある。異変を感じたら斜面の下には絶対に近寄らないでほしい」と呼びかけています。

また、14日にかけては北日本から東日本を中心に風が強まると予想されています。

暖かい風によって雪がさらに溶けやすくなるとして、屋根からの落雪や融雪による土砂災害、河川の増水に注意する必要があるということです。

15日には東北から北陸にかけて雨の降るところもある見込みで、能登半島地震の被災地でも、雨の量が増えた場合には土砂災害に注意が必要だとしています。

このほか北海道ではこの冬、日本海側やオホーツク側で例年より積雪が多く、気温の上昇により道路上の雪がシャーベット状になることで車のタイヤが滑ったりスタックしたりしやすくなり、交通への影響が予想されると指摘します。

北海道では日中は気温が上がる一方、15日にかけて朝は0度前後まで下がるところがある見込みで、中村さんは「気温が2、3度くらいでも、晴れて地表の熱が奪われる放射冷却現象が起きれば地面が凍結することは十分あり得る。路面の凍結にも注意をしてほしい」と呼びかけています。

週末は寒気の影響で一時的に気温が下がる見込みですが、日曜日・18日以降は再び全国的に気温の上昇が予想され、今後も融雪によるなだれなどに注意が必要だと指摘しています。