NISA “成人5人に1人以上利用”投資信託流入1兆3000億円近くに

2月13日は日付の語呂合わせで「NISAの日」です。

「安定的な資産形成の手段の1つとして国民の皆様に受け入れられつつある」

鈴木金融担当大臣は13日の閣議のあとの会見で、「NISA」についてこう評価しました。

今や成人の方の5人に1人以上が利用する状況になったとされる「NISA」。現状や今後の動向などについて取材しました。

※記事末に「制度の基本をわかりやすく解説」へのリンクをつけています

投資信託「純流入額」1兆3000億円近くに 約16年ぶりの高水準

個人投資家の税制の優遇制度NISA。ことし1月に制度が拡充されたほか、制度が始まってからは10年の節目を迎えています。

「日興リサーチセンター」の推計によりますと先月、ETF=上場投資信託を除く投資信託の資金の出入りは、新たに購入するなどして流入した額から解約や売却などで流出した額を差し引いた「純流入額」が1兆2950億円となりました。

これは2007年8月以来、およそ16年ぶりの高い水準だということです。

このうち先月、非課税で保有できる限度額が拡充された「NISA」の対象となる投資信託の「純流入額」が99%を占め、新たな制度が積極的に活用されている実態がうかがえます。

「純流入額」が多かった1位から5位までが主に海外株式で構成される商品やアメリカのS&P500の株価指数に連動する商品など海外関連だったということです。

大手証券会社5社 社長がパネルディスカッション

2月13日、「NISAの日」にあわせて、証券会社の社長らがパネルディスカッションを行い、個人投資家を対象にした優遇税制の「NISA」などを活用した資産形成の重要性を訴えました。

これは、日本証券業協会が開いたもので、大手証券会社5社の社長が参加しました。

このなかでは、大和証券グループ本社の中田誠司社長がことし1月にNISAの制度が拡充されたことについて、「世間の関心が高まっていると感じる。緩やかなインフレ経済となるなかで運用で稼がないと価値が目減りしてしまうため、NISAなどを活用した資産形成が重要になっている」と述べました。

また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長は、資産運用のあり方について、「ライフスタイルや世代によって重きを置く点は異なる。マーケットの動向や、投資のリターン、リスクが注目されがちだが、なぜ資産形成をしたいのかを考えることがまずは重要だ」と指摘しました。

イベントのあと野村ホールディングスの奥田健太郎社長は、「新NISAが浸透するには、初心者にわかりやすい商品やサービスを増やすことに加え、金融経済教育が大事だ。どうしたら良いかわからないという方もいると思うので、ぜひ金融機関などに相談してほしい」と話していました。

鈴木金融相「NISAは受け入れられつつある」

13日の閣議のあとの会見で鈴木金融担当大臣は「NISAはこの10年間で、成人の方の5人に1人以上が利用する状況になるなど、安定的な資産形成の手段の1つとして国民の皆様に受け入れられつつある」と評価しました。

その上で、鈴木大臣は「国民の皆さんがNISAを知り、ライフプランに応じた安定的な資産形成について考えを深めていただけるよう、取り組んでいく」と述べました。