株価 1000円以上値上がり一時3万8000円台 1990年1月以来の水準

3連休明けの13日の東京株式市場、日経平均株価は、1000円以上値上がりし、一時、3万8000円台をつけました。取り引き時間中としてはバブル期の1990年1月以来34年ぶりの水準です。

▽日経平均株価、13日の終値は先週金曜日の終値より1066円55銭高い3万7963円97銭。
▽東証株価指数=トピックスは54.15上がって2612.03。
▽一日の出来高は21億4573万株でした。

終値として一日で1000円以上値上がりするのは2020年の6月以来です。

13日の日経平均株価は、一時、3万8000円を超え、取り引き時間中としてはバブル期の1990年1月以来34年ぶりの水準となりました。

要因の1つはアメリカの株高が日本にも波及したためです。

12日のニューヨーク市場では、先週末にかけて発表されたアメリカの経済指標が相次いで市場の予想を上回り、景気の底堅さを示したと受け止められたことから、ダウ平均株価が史上最高値を更新しました。

また、先週、業績見通しを上方修正した半導体関連の会社の株価が一日で10%以上値上がりするなど、業績の堅調な日本企業が株高をけん引しました。

市場関係者の間では、今後も日本株の値上がりが続くという見方がある一方で、急速な値上がりに対して懸念を指摘する声もあり、今の上昇傾向が今後も続くかが焦点となります。

【好調な企業決算】

日経平均株価が1000円以上値上がりした要因の1つに、日本企業の間で好調な決算や業績の上方修正の発表が相次いでいることがあります。

特に半導体関連の企業は業績が堅調で、このうち半導体製造装置メーカー「東京エレクトロン」は、先週金曜日に今年度1年間の業績見通しを上方修正したことが市場で好感され、13日だけで株価が10%以上値上がりし、日経平均株価の上昇をけん引しました。

このほか、ソフトバンクグループの株価もこの3営業日で30%近く上昇しました。

傘下の半導体開発会社「Arm」が先週発表した決算で市場予想を上回る業績見通しを示したことなどが要因です。

【アメリカの株価上昇の流れ 日本に波及】

また、アメリカの株価上昇の流れが日本にも波及しています。

12日のニューヨーク市場では、先週末にかけて発表されたアメリカの経済指標が相次いで市場の予想を上回り、景気の底堅さが示されたという受け止めが広がったことから、ダウ平均株価が史上最高値を更新しました。

また、9日には、株価の別の指標「S&P500」も史上最高値を更新していて、アメリカの株価の上昇傾向が鮮明になっていました。

【日銀の金融政策】

さらに、日銀の金融政策に対する見方も背景にあります。

先週は、日銀の植田総裁と内田副総裁がそれぞれ発言し、仮にマイナス金利を解除しても緩和的な金融環境を維持することを強調しました。

こうした発言が投資家の安心材料となっているほか、外国為替市場で円安が進んだことで輸出関連の銘柄に買い注文が出ていて、株価を押し上げる形となっています。

経団連 十倉会長「実体経済よくなるのが一番望ましい」

13日の東京株式市場で日経平均株価が一時、3万8000円台をつけるなど株価の上昇が続いていることについて、経団連の十倉会長は記者会見で「円安で輸出企業、特に製造業にとって有利になっているほか、インバウンドもGDP上は輸出となり、増えている。また、中国に回っている資金の行き先として日本を見直す動きがあるなど、さまざまな要因によるものだ。実体経済がよくなるのが一番望ましく、株式の評価と実体経済、日本の評価がそろうようなベクトルになればよい」と述べました。

証券会社は

日経平均株価が一時、3万8000円台をつけたことについて、野村ホールディングスの奥田健太郎社長は「ことしは日経平均株価が4万円にチャレンジする年になるだろうというふうに思っているので、株価の上昇はスピード感も含めて、思っていたとおりのところだ」と述べました。

そのうえで、株価の上昇の要因として、海外の投資家が日本企業の成長への期待感や欧米の市場に比べた割安感から、日本市場に注目していることがあると指摘しました。

また、今後の株価の見通しについて、「最大のポイントは、日米の金利の動きだ。アメリカの金利がどこかで下がってくる予想もある。これがどのくらいの角度で、いつごろ下がるのかが特に大きなポイントだ。日銀のマイナス金利の解除が、どれほどマーケットへのインパクトがあるのかも注目される」と述べました。

また、みずほ証券の浜本吉郎社長は「株価上昇のペースは非常に早く、相場が落ち着くまでは少し日数はかかると思うが、日本経済や企業に対する期待を基礎に、賃金の上昇やインフレも含めて環境は整っている」と述べました。

そのうえで、株価の上昇の要因として、海外投資家の動きに加えて、日本企業の改革の取り組みや、NISAの拡充への期待感、それに、アメリカの株価が高値で推移していることなどをあげました。

このほか、「株価が1株当たりの純利益に対して、何倍になっているかを示すPER=株価収益率でみれば、バブルの時の株価と比べて落ち着いている。また、アメリカのダウ平均株価と比べても、現在の日本株には割安感があり、これから多少の値動きはあれども、地合としては強いのではないか」と述べました。