「医療事故調査制度」遺族らで作る団体が見直し訴える

患者が予期せず死亡した際に原因を調べる「医療事故調査制度」のあり方を考えるシンポジウムが開かれ、遺族らで作る団体の代表が、事故の報告の基準など明確な指針を作ったうえで調査が行われるよう、制度の見直しを訴えました。

12日に医療事故の遺族などが都内でシンポジウムを開き、「医療事故調査制度」の課題や改善策について意見を交わしました。

この制度は、患者が予期せずに死亡した場合を「医療事故」として、すべての医療機関に対し、第三者機関への報告や調査を義務づけていますが、判断はそれぞれの医療機関に委ねられるため、遺族から十分に機能していないという指摘もあがっています。

シンポジウムでは、「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長が、団体に相談があったおよそ60件について、医療事故として報告されたのは14%にとどまり、アンケートでは報告されなかった遺族の9割以上が「納得できなかった」と答えたと紹介しました。

宮脇さんは「今の制度では遺族は蚊帳の外になっている。判断を医療機関のみに委ねるのではなく、明確な指針が必要だ」として、見直す必要があると訴えました。

これに対し、制度を運営する「日本医療安全調査機構」の木村壯介常務理事は、人口あたりの事故の報告数は都道府県によって5倍ほど差があるとしたうえで、「医療機関側の対応が不十分なのは明らかだ。ただ、事故の判断に強制力が伴うと、報告の内容が形骸化する可能性もある」と、慎重に検討すべきだという考えを示しました。