フィンランド新大統領 隣国ロシアを念頭 NATOなどとの連携重視

NATO=北大西洋条約機構に去年、加盟した北欧フィンランドの次の大統領にストゥブ元首相が選ばれ、ウクライナ侵攻を続ける隣国ロシアを念頭に、NATOなどとの連携を重視する考えを示しました。

フィンランドでは2期12年務めたニーニスト大統領の後任を選ぶ先月の選挙で、有効投票数の過半数を獲得した候補者がいなかったため、11日、上位2人による決選投票が行われました。

フィンランド法務省によりますと、開票の結果、中道右派の与党「国民連合」のストゥブ元首相が51.6%、中道左派の野党「緑の党」のハービスト前外相が48.4%をそれぞれ得票し、ストゥブ氏が接戦を制しました。

ロシアと1300キロにわたり国境を接するフィンランドは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて長年保ってきた軍事的中立の方針を転換し、去年4月、NATOに加盟しました。

大統領は軍事や外交政策を統括し、当選したストゥブ氏は首都ヘルシンキで「『冷戦後』の時代は終わった」と述べ、国防政策のカギとしてGDP=国内総生産の2.3%を占める防衛費や、NATO加盟国であること、そして去年12月にアメリカと結んだ防衛協力協定の、3点を掲げました。

フィンランドは去年の夏以降、ロシアが混乱をねらってほかの国からの難民申請者を送り出しているとして、国境の検問所を閉鎖するなど警戒を続けています。