イスラエル “ラファで地上作戦”を強調にハマスはけん制

イスラエルのネタニヤフ首相はガザ地区の南端にあるラファでの地上作戦を行う姿勢を強調しているのに対して、イスラム組織ハマスは「ラファへの攻撃は人質交渉の崩壊を意味する」とけん制しました。100万人以上が避難するラファへの攻撃が強まれば、市民の犠牲がさらに増えることが懸念されています。

イスラエル軍は、ハマスの重要拠点があるとして、ガザ地区の南端にあるラファへの集中的な攻撃の必要性を訴えていて、ネタニヤフ首相も軍に計画の策定を命じています。

こうした中、ネタニヤフ首相は、アメリカのABCテレビのインタビューに応じ、11日、その内容がウェブサイトに掲載されました。

この中でネタニヤフ首相は「ハマスの最後のとりでのラファへの攻撃を行う。そうすべきではないという主張は、イスラエルに戦争に負けろと言っているのに等しい」と述べ、ラファへの攻撃を改めて正当化しました。

そのうえで「民間人が退避できるよう安全な避難路を提供する」として、市民の犠牲を減らすための措置をとると主張しました。

一方、地元メディアは、ハマス幹部の話として「ネタニヤフは人質交渉を避けるため、ラファで虐殺と人道危機を広げようとしている。ラファへの攻撃は人質交渉の崩壊を意味する」と伝えていて、ラファへの攻撃が強まれば一切の交渉の余地はなくなるとけん制しています。

またハマスは11日、SNSに「過去96時間のイスラエル軍の攻撃により、人質2人が死亡し8人が重傷を負った」と投稿し、人質にも犠牲が出ているとしています。

ガザ地区の保健当局によりますと、これまでに2万8176人が死亡していて、100万人以上が避難するラファへの攻撃が強まれば市民の犠牲がさらに増えることが懸念されています。