【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(2月12日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる12日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア軍 連日無人機で攻撃 ウクライナ各地で被害

ウクライナ空軍は12日、ロシア軍が西部フメリニツキー州や南部ミコライウ州などでイラン製の自爆型無人機17機や、複数のミサイルで攻撃を行い、このうち無人機14機とミサイル1発は撃墜したと発表しました。

ウクライナ側は11日にも、ロシア軍がキーウ州などで45機の無人機による攻撃を行ったと発表したほか、9日から10日にかけてロシア軍が行った無人機攻撃では、ウクライナ第2の都市、東部ハルキウの住宅街で子ども3人を含む7人が死亡するなど、各地で被害が出ています。

「スターリンク」 “ロシア軍も使用” ウクライナ国防省発表

ウクライナ国防省の情報総局は11日、ウクライナを支援するために提供されてきた、アメリカの宇宙開発企業「スペースX」の衛星を使ったインターネット接続サービス「スターリンク」について、侵攻を続けるロシア軍が使用していたと発表しました。

それによりますと、東部ドネツク州の戦闘でロシア軍の部隊の使用が確認され、その使用規模は組織的に拡大されていると指摘しています。

「スペースX」率いるイーロン・マスク氏“ロシアに販売ない”

これについて「スペースX」を率いるイーロン・マスク氏はSNSで「ロシア側にスターリンクを販売したことはない」としています。

「スターリンク」は、ロシアによる軍事侵攻以降、ウクライナ国内で深刻な通信障害が起きる中、ウクライナ軍が無人機などを使用する際に重要な役割を果たしているとされています。

ウクライナ 防空能力低下の分析相次ぐ 新指導部の対応に注目

ウクライナのゼレンスキー大統領は、防空能力の向上のために各国の首脳らに繰り返し支援を求めてきましたが、最大の支援国アメリカでは支援継続に必要な緊急予算が議会で承認されない状況が続いています。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは9日、アメリカ政府関係者の話として、ウクライナは欧米からのミサイルの補給などの新たな支援がなければ、3月までしか防衛能力を維持できないと伝えました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も10日、ここ数週間ロシアはミサイルや無人機による攻撃を激化させ、ウクライナの防空能力がさらに弱体化した可能性があるとしたうえで、ロシア軍が今後、地上での攻撃を支援する大規模な航空作戦に踏み切れば、ウクライナに重大な脅威となると指摘しています。

こうした中、ゼレンスキー大統領は11日、新しく総司令官に就任したシルスキー氏が務めていた陸軍司令官に国防第1次官だったパブリュク氏を任命したほか、新しい統合軍司令官や空軍司令官なども任命しました。

ゼレンスキー大統領としては、軍の指導部を刷新することで反転攻勢を立て直したい考えですが、今後の戦況にどのような影響が及ぶのか注目されます。