ガザ地区 電話で助けを求めていた6歳の女の子 死亡確認

ガザ地区で先月末にイスラエル軍の攻撃を受けたとみられる車に取り残され、電話で助けを求めながら、その後、安否が分からなくなっていた6歳の女の子の死亡が確認されました。パレスチナ赤新月社は、女の子の救助に向かった救急隊員も攻撃で死亡したとしてイスラエル軍を強く非難しています。

6歳の女の子、ヒンド・ラジャブちゃんは先月29日に、ガザ市内で親族と一緒に車で移動していた際にイスラエル軍の攻撃を受けたとみられています。

パレスチナ赤新月社が公開した電話の音声記録では、車の中で1人、生き残ったとみられるヒンドちゃんが「とても怖い。誰か来て、私を連れ出して」と必死に訴える様子が確認できます。

通話時間はおよそ3時間に及んだということですが、その後、連絡が途絶え安否が分からなくなりました。

ヒンドちゃんを救助するために現場に向かった救急隊員も連絡が取れなくなったということです。

パレスチナ赤新月社は10日、ヒンドちゃんや2人の救急隊員の死亡を確認したとSNSで明らかにしました。

投稿した映像からは救急車とみられる車が黒焦げになっているほか、近くにはヒンドちゃんが乗っていたとみられる黒い乗用車がめちゃめちゃに壊れ、弾が当たったような痕が確認できます。

パレスチナ赤新月社は、イスラエル軍が救助に向かった救急車を意図的に攻撃したと強く非難しています。

今回の事態を受けてWHO=世界保健機関はSNSにメッセージを投稿し、「医療従事者は国際人道法で保護されている。困っている人たちに手を差し伸べるための安全が確保されなければならない」と訴えています。