山形 上山 江戸から続く伝統行事「加勢鳥」商売繁盛などを願う

みのをかぶって鳥にふんした人たちに水を浴びせて商売繁盛などを願う冬の伝統行事、「加勢鳥」が山形県上山市で行われました。

「加勢鳥」は江戸時代から続く伝統行事で、ことしは県内外からおよそ40人が参加しました。

市中心部の上山城で祈願式が行われたあと、わらで編まれた「ケンダイ」と呼ばれるみのを頭からかぶって鳥にふんした参加者たちが、市内各地を回りました。

参加者たちが、笛や太鼓の音に合わせて「加勢鳥、加勢鳥、お祝いだ。カッカッカーのカッカッカー」と声を上げて飛び跳ねながら商店街や温泉街を練り歩くと、沿道につめかけた人たちはバケツに入った水を勢いよくかけていました。

「加勢鳥」は商売繁盛や五穀豊じょうを願う行事ですが、水をかけることから火災予防の意味も込められています。

また、みのから抜け落ちた「わら」は縁起物とされていて、拾った人はうれしそうに持ち帰っていました。

上山市の59歳の男性は「年に1回の機会なのでよい年になってほしいと願いを込めて水をかけました。地域で支え合うことでこれからも長く続く伝統行事であってほしい」と話していました。