中国の旧正月「春節」始まる 中国各地で祝う行事

中国では10日、旧正月の春節を迎え、習近平国家主席が伝統文化を重視する方針を示す中、各地で新年を祝う行事が行われました。

旧暦で正月を祝う中国では、元日にあたる10日から旧正月の春節にあわせた8日間の大型連休が始まりました。

このうち、首都・北京の中心部にある天安門広場に近い古い町並みが残る地区では、春節を祝う伝統行事が行われ、大勢の家族連れなどがことしのえとの「たつ」の形をした風船や、おもちゃを売る露店を訪れるなどして楽しむ姿が見られました。

中国では、このところ習近平国家主席が、伝統文化を重視する方針を示していて、会場の通りに面した建物には中国の国旗が数多く掲げられ、愛国心を高めようという当局のねらいもあるとみられます。

1歳の男の子を連れて露店などを見ていた男性は「家族の健康が最大の願いです。縁日が長いあいだ伝承され、毎年開かれているのはすばらしいことです」と話していました。

また、北京の観光名所ともなっているチベット仏教の寺院、「雍和宮」では朝から長い行列ができ、訪れた人たちは長さ30センチほどの線香を顔の前に掲げたり、地面にひざまずいたりしながら熱心に祈りをささげていました。

寺院を訪れた男性は、景気の先行きに不透明感が広がっていることについて「経済が浮き沈みするのは正常なことです。私たちが努力して働けば、よい方向に変わると思います」と話していました。

中国版「紅白歌合戦」では中国の文化強調

旧暦で正月を祝う中国では、大みそかにあたる9日、国営の中国中央テレビで、恒例の中国版「紅白歌合戦」が放送されました。

番組では、歌だけでなく中国の伝統芸能「京劇」や武術も紹介されるなど中国の文化を強調する内容になっています。

そして日付が変わるのを前に男性の司会者が「もうすぐ新しい春が来ます。偉大な祖国を祝福しましょう」と呼びかけ、カウントダウンが終わると、たくさんの花火が打ち上げられる様子が伝えられました。