能登町 民間病院再建へ クラウドファンディングで支援呼びかけ

石川県の奥能登地域の医療と介護を支えてきた能登町の民間病院は、地震で大きな被害を受け入院患者を全員転院させて休診しています。
病院は「これからも地域を守りたい」として、再建に向けてクラウドファンディングで広く支援を呼びかけています。

能登町にある柳田温泉病院は、奥能登地域の高齢の患者を多く受け入れ医療と介護を支えてきました。

しかし、能登半島地震で病棟などが大きな被害を受けたほか、スプリンクラーが誤作動し建物内が水浸しになりました。

当時、病院には140人余りの入院患者がいて、廊下で身を寄せ合っていましたが、全員が別の病院に移り現在は休診しています。

病院によりますと先行きが見通せないことなどから、全体の3割以上にあたる45人の職員が退職し、残っている職員のほとんどが休職状態となっています。

しかし病院では、転院した患者から「また戻ってきたい」とか「なくてはならない存在」などの声が寄せられたことから、規模の縮小も想定しながら再建することを決め、資金を集めようとクラウドファンディングを活用して広く支援を呼びかけています。

目標金額は5000万円で、国の補助金と合わせて建物の修理などの費用に充てたいとしています。

中谷美代子看護総師長は「地域にとって本当に必要な病院だと思いながら働いてきました。仕事の確保という意味でも早く再開してほしいです」と話していました。

野村清一事務長は「これから被災地で高齢者が安心して暮らしていくためには、介護の受け入れもできる医療機関が必要なので、支援をお願いしたいです」と話していました。