海底隆起で出航できず 苦悩強いられる漁業者 石川 珠洲

石川県珠洲市では、能登半島地震で海底が隆起し港から漁船が出航できないため、漁業者がいかに漁を続けていくのか苦悩を強いられています。

珠洲市の長橋漁港では、地震によって海底が隆起したため、10隻余りある船が出港できない状態となっています。

鍛治鉄雄さん(67)は、この港を拠点に50年近くサザエなどを取って生計を立ててきましたが、地震のあと漁に出ることが出来ていません。

船は陸揚げしていたため無事でしたが、周辺のほかの港も使えないほか、サザエを取っていた漁場も隆起してしまい、漁をどのようにして続けて行けばよいのか苦悩を強いられています。

鍛治さんは「ことばにならないです。やれるところまで漁師をやりたいという気持ちでしたが、それが閉ざされました。これが現実です」と話していました。

そのうえで、地区の区長も務めていることから「市外へ避難した人の中には戻らないという人もいます。地区のコミュニティーを保てるのかが心配です」と不安を口にしていました。