新型コロナ 子どもの急性脳症 重症になりやすいタイプ1割以上

新型コロナウイルスに感染した子どもがまれに発症する急性脳症について、国の研究班が調査したところ、インフルエンザなど従来のウイルスではほとんどみられなかった重症になりやすいタイプの患者が10%以上いたことが分かりました。

この調査は東京女子医科大学の高梨潤一教授を中心とする厚生労働省の研究班が行いました。

研究班は、2022年11月までに、新型コロナウイルスに感染し、急性脳症と診断された18歳未満の子ども103人を調査しました。

このうち、発症した急性脳症をタイプ別に分析したところ、インフルエンザなど従来のウイルスでもよく見られるタイプが全体の26%にあたる27人で最も多かった一方で、新型コロナの流行前には非常に頻度が低かった重症になりやすいタイプが全体の13%にあたる14人いたことが分かりました。

重症になりやすいタイプの患者14人のうち11人は死亡していたということです。

研究班によりますと新型コロナによる急性脳症を発症する子どもはまれだということですが、重症になりやすいタイプは治療法が十分に確立されていないことから注意が必要だということです。

高梨教授は「なぜ重い急性脳症の頻度が高いのかは詳しくは分かっていないが、長くけいれんが続いたり、呼びかけに反応しなかったりなどの症状があるときはすぐに医療機関を受診してほしい」と話していました。