【詳細】イスラエル ハマス 隔たり大 米はCIA長官派遣へ

ガザ地区での戦闘の休止と人質の解放に向けてイスラエルとイスラム組織ハマスの間では仲介役を通して交渉が行われていますが、双方の隔たりは大きく交渉がまとまるかは不透明な状況です。

一方で、アメリカメディアはバイデン政権がCIA=中央情報局のバーンズ長官を来週13日にもエジプトに派遣する予定だと伝えていて、交渉が進展するのか注目されます。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間2月10日の動きを、随時更新してお伝えします。

双方の隔たりは依然大きいまま

イスラエルとハマスの間では、カタールなどの仲介で戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉が行われていますが、イスラエル側はハマス側が出した停戦などを求める内容の提案について拒否する姿勢を示しています。

これを受けてハマスの代表団は9日まで、エジプトの首都カイロで仲介するカタールやエジプトとさらなる協議を行いましたが、中東の複数のメディアによりますと戦闘の休止などをめぐって双方の隔たりは依然大きいままだということです。

米ニュースサイト 来週にもCIA長官 エジプト派遣予定と伝える

アメリカのニュースサイト、アクシオスは9日、バイデン政権がガザ地区の情勢をめぐりCIA=中央情報局のバーンズ長官を来週13日にもエジプトに派遣する予定だと伝えました。

バイデン政権としては、1月下旬にもヨーロッパでイスラエルや仲介のカタールやエジプトの代表などと協議を行ったバーンズ長官を派遣することで、交渉を前進させたいねらいがあるとみられます。

イスラエル軍がガザ地区の最も南にあり100万人以上が避難しているラファで地上作戦を進める構えを示していることに対して、国際社会からは住民の犠牲が増えることへの懸念の声が強まっていて、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官も8日、避難民の安全や保護を考慮しない作戦は支持しないとする立場を示しています。

こうしたなかイスラエルのネタニヤフ首相は9日、軍に対し住民の避難とハマスの部隊の壊滅を両立させる計画を策定するよう命じ、あくまでラファでの地上作戦を進める姿勢を鮮明にしました。

パレスチナの地元メディアは9日、そのラファでイスラエル軍による住宅への空爆で女性や子どもを含む8人が死亡したと伝えていて、ガザ地区の保健当局はこれまでに2万7947人が死亡したと発表しています。

一方、サウジアラビアでは8日、アラブ諸国の外相がガザ地区の情勢について会合を開き、イスラエルとイスラム組織ハマスとの交渉で仲介役を務めるカタールやエジプトなどの外相も出席しました。

会合後に発表された声明では、一刻も早い停戦の実現や継続した支援物資の搬入の重要性を訴えているほか、日本を含む各国が相次いで資金の拠出の一時停止を表明しているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関への支援を継続する必要性が盛り込まれました。

米ニュースサイト イスラエル 戦闘休止めぐり協議進める用意

アメリカのニュースサイト、アクシオスは、戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉をめぐりイスラエルがカタールとエジプトに対しハマス側との協議を進める用意があると伝えたと報じました。

アクシオスによりますと、イスラエル側は完全な停戦などを求めるハマス側の提案の大部分を拒否した一方で、6週間の戦闘の休止などを盛り込んだアメリカなどによる提案に基づく交渉に応じる考えだということです。

ラファでの地上作戦への懸念が強まるなか、交渉の行方が注目されます。