能登半島地震 生活環境の変化や復旧作業での災害関連死に注意

能登半島地震の発生から1か月余りがたちましたが、過去の災害では、1か月後から2か月間に、生活環境の変化や片づけの本格化に伴う災害関連死が相次いでいます。専門家は、生活再建に向けて、さまざまな動きが出てくる中で、注意すべきポイントを意識して対策を心がけてほしいと呼びかけています。

能登半島地震では、これまでに241人が亡くなっていて、このうち災害関連死の疑いがあるのは15人となっています。

災害関連死は、過去の災害でも相次いでいて、内閣府が2021年までの10年間に発生した地震や豪雨、台風についてまとめた事例集には、発災1か月後から3か月後までの2か月間のうち、33件の詳しい内容が掲載されています。

それによりますと、33件はいずれも60代以上で、半数近くの15件が80代と高齢者が目立ちました。

亡くなった経緯については、入退院を含む転居や移転が18件と、全体の半数余りにのぼり、中には、避難のために親族を頼って転々とし、体力の低下や食欲の減退を引き起こして死亡したケースもありました。

また、この時期から片づけが本格化する中で、多量の土ぼこりなどを吸引したことによる被害が出始め、床から巻き上がった粉じんを吸い込み肺炎にかかった人もいました。

さらに、在宅避難など、避難所以外で体調を崩して亡くなるケースは11件にのぼり、自宅にこもりがちになったり、劣悪な環境で体調を崩したりする事例も多く見られました。

事例集の33件は、この時期の災害関連死の一部で、復興庁や熊本県によりますと、東日本大震災と熊本地震だけでも、合わせて431件にのぼっています。

災害関連死に詳しい関西大学の奥村与志弘教授は「一日でも早く片づけをして、元の暮らしに戻りたいという思いが強くなると思うが、負荷がかかりすぎると体調を崩すおそれがあり、高齢者を中心に気を配ることが重要だ。被災者ごとに災害関連死に気をつけるべきポイントが異なることや、日々変わっていくことを意識した対策を心がけてほしい」と話しています。