能登半島地震 必要な支援と課題は?首長発言から【2月8日】

能登半島地震を受けて開かれている石川県の「災害対策本部員会議」には、被災自治体の首長が参加し、それぞれ、いまの被災地の状況や今後の見通し、課題などを報告し、必要な支援なども訴えています。

2月8日の会議での被災自治体の首長の主な発言をまとめました。

※発言の順番に掲載しています※

輪島市 坂口市長「水道復旧 明るさが見えてきた」

「現在、輪島市からは、合計5000人以上の方が2次避難しているので、避難者の皆さんにしっかり情報提供していきたい」

「ライフラインは、水道の復旧が遅れていたが、ようやく明るさが見えてきた。通水率は11%の1214戸となった。ここから大きく数字が伸びてくると予想している。しっかりと頑張っていく」

「建物の被害認定調査は住家は5966戸調査を行い、全壊は33%、半壊以上で55%という状況。遅れていた『り災証明』の発行も順次拡大していきたい

珠洲市 泉谷市長「地域経済 建物の解体撤去は切実」

「仮設住宅は、正院小学校のグラウンドで完成した40戸に、9日から入居が始まる。みなし仮設住宅の家賃の上限額の見直しにも感謝申し上げる」

「ただ、みなし仮設住宅の入居をめぐって「応急危険度判定で『赤(危険)』と判定された方は、みなし仮設に入居できる」と思い込んでいる人もいる。あとあと被害家屋の調査で(危険度判定で赤とされた人が)一部損壊などにとどまることも考えられる。あとあと混乱するのではないか懸念している」

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※自宅の被害が半壊未満(一部損壊など)だと「みなし仮設住宅」を利用する条件から外れてしまうおそれがあります。その場合、それまでにかかった家賃などは自己負担になるおそれがあります
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全半壊の家屋・建物の解体・撤去を迅速に進めていくことが重要。被災した事業者は(再建に)前向きになっているが、早く店舗などを解体撤去して更地にし、新たに建築を進められないと、どれだけ支援策が手厚くても事業の再建がままならないという切実な問題がある。特に雇用維持を考えると、本当に迅速に進めていかなければ、地域経済にとって本当に大きな課題になってくる。令和7年度末の処理完了を目指すと馳知事はおっしゃったが、ぜひ今後、実現に向けて、前例にとらわれずあらゆる方策を講じてほしい」

穴水町 吉村町長「第2弾で仮設住宅180戸を着工予定」

「水道の復旧は、上水道契約戸数の復旧率は58%。地区管理水道は復旧率は35%、残り12か所の集落で復旧を急いでいる」

「仮設住宅は、529件の申し込みを頂いている。1月15日に76戸の着工以来、町民にお知らせができず不安の声が寄せられていた。県の支援で第二弾として180戸を町の陸上競技場に建設することとし、2月11日に着工予定になった」

「仮設住宅については、熊本モデルや石川モデルなどの木造仮設住宅も検討していて、速やかに着工できるように支援をお願いしたい。仮設住宅エリアで必要な集会所、高齢者支援の場、子どもの見守り・遊び場などの設置についても、国や関係省庁への働きかけをお願いしたい」

能登町 大森町長「高齢者戻れるよう介護人材確保に力添えを」

「仮設住宅は、新たに112戸が11日に着工になる」

「断水解消は累計で1686戸。前回から311戸増えている。通水率は27%で、引き続き復旧作業を進めていく。7日から各地域の復旧状況・見込みについてホームページで公開している」

「宅地の被害は、全容把握に至っていないが、擁壁崩壊、地割れ、液状化被害など多くの宅地に被害が生じている。宅地復旧の公共事業の財政措置については、補助率のかさ上げなど、支援措置の拡充をお願いしたい

「仮設住宅の建設も始まり、1.5次、2次避難されている方の帰還も見込まれる。高齢化率が非常に高い能登町においては、介護、療養拠点の整備が非常に重要。現在、町の介護医療院の柳田温泉病院も休院中なので、早期再開の支援をお願いするとともに、高齢者が安心して戻って来られるよう、介護人材確保にも力添え頂きたい

七尾市 茶谷市長「和倉温泉 創造的復興ビジョン策定会議を開催」

「県水(県営の水道)のエリアの通水が進み、7日のデータで、通水の割合が全体の42.8%になっている」

「8日、第1回和倉温泉創造的復興ビジョン策定会議が開かれた。比較的若いメンバーで運営委員会を開催し、復興に向け順次開催して3月の骨子までには間に合わせたい」

建物の解体は、県の構造物解体協会の会員企業にお願いしているが、七尾市では2社しかなく、奥能登には会員がいない。会員以外にも解体業者はあり、七尾市には9社あるので、そこにも解体を依頼したい。解体業者が多くなれば、早期の解体・復旧につながる」

「仮設住宅は、七尾市では一次の募集が18日までで、180戸を超える応募になるかと思う。ただ、中島地区、能登島地区の完成予定時期が2月下旬から3月上旬や中旬に変更になり、遅れている。早期の完成お願いしたい。ほかのエリアでは追加の仮設住宅の戸数が発表されたが、七尾市も要望しているので、早急に発表をお願いしたい

志賀町 稲岡町長「コロナ感染 避難所で増加しつつある」

「上水道は6700戸で通水が完了。76%で通水が進んでいる」

「仮設住宅の入居申し込みは、7日現在で133件。着工を始めたのが97件で、追加の場所を提示するので早急に着工頂きたい」

再びコロナが避難所で増加しつつある。また血圧が発災前は正常値だった方が高血圧になるなど聞いている。関連死につながる兆候の一つだと思っているので注視したいし、医療的支援をお願いしたい

みなし仮設住宅の申込みを、り災証明交付前でも行える対象地域に志賀町が入っていないので加えていただきたい。志賀町でも91件の交付前申込みがある」

石川県の「災害対策本部員会議」の内容は、県のホームページから誰でも確認できます。資料を確認できるほか、会議の動画を見ることもできます。