上場企業の決算発表ピーク 円安などで半数以上で増益

東京証券取引所では、上場企業の決算発表が9日、ピークを迎えました。円安に加えて、商品などの価格転嫁によって業績を伸ばす企業が相次ぎ、発表した企業の半数以上で増益となっています。

東京証券取引所では、去年4月から12月までの決算の発表がピークを迎え、9日、1日で400社以上が業績を開示しています。

「SMBC日興証券」が旧東証1部に上場していた企業を中心に、8日までに発表を終えた全体の7割近くにあたる957社の決算を分析したところ、最終利益は56%にあたる537社で増益でした。

最終損益を合計した金額は、前の年の同じ時期より22%増えています。

円安に加えて、商品などの価格転嫁を主な要因として、自動車などの「輸送用機器」や「機械」が増益となったほか、インバウンド需要を取り込んだ「陸運」や「空運」、それに「小売」なども増益となりました。

一方、42%にあたる402社で最終損益が減益となりました。

スマホ向け製品の需要減少などで「化学」が減益となったほか、資源価格の高騰が一服したことで商社などの「卸売業」が減益となりました。

SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジストは「中国経済の減速が、どの程度深刻になるかや、中東の地政学リスクで航路が制限された場合に製造業の業績にどこまで影響が出るかなど、海外のリスク要因への警戒が続いている」と話しています。