新型コロナ 11週連続で患者数増加 インフルエンザも増加傾向

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、2月4日までの1週間では、1つの医療機関当たりの平均の患者数が16.15人で、前の週の1.08倍となっています。

また、全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、2月4日までの1週間で、1医療機関当たり22.62人と、前の週よりも3.42人増えました。
福岡県など8つの府県で「警報レベル」の30人を超えているほか、全国34の都道府県で前の週より増加しています。

それぞれの詳しい状況を見ていきます。

新型コロナ 1医療機関当たり平均患者数16.15人 前週の1.08倍

厚生労働省によりますと、2月4日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から5998人増えて7万9605人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は16.15人で、前の週の1.08倍となりました。

前の週から増加が続くのは11週連続となります。

都道府県別では、多い順に▽石川県が24.52人、▽福島県が24.49人、▽愛知県が22.55人、▽茨城県が22.46人、▽長野県が22.13人などとなっていて、41の都道府県で前の週より増加しています。

このうち石川県は、能登半島地震の影響で、新型コロナの患者数を報告することになっている48の医療機関のうち、能登北部の2か所からの報告は含まれませんが、高い水準となっています。

このほか、2月4日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は3459人で、前の週と比べて135人の増加でした。

厚生労働省は全国の流行状況について「引き続き増加傾向が続いていて、手洗いや、こまめな換気を行うなど対策を徹底してほしい」としています。

インフルエンザ 1医療機関当たり患者数 22.62人 前週より増加

国立感染症研究所などによりますと、2月4日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は11万1501人で、1医療機関当たりでは22.62人と、前の週よりも3.42人増えました。

データを基に推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ73万8000人となり、去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数はおよそ1358万2000人と推計されています。

1医療機関当たりの患者数を都道府県別に見ますと、▽福岡県が最も多く57.36人で、▽沖縄県が41人、▽佐賀県が40.31人、▽宮崎県が39.14人などと、8つの府県で「警報レベル」の30人を超えました。

また、▽大阪府が29.64人、▽愛知県が27.53人、▽東京都が20.29人などと、35の都道府県で10人を超える「注意報レベル」となりました。

前の週と比べると、▽佐賀県で1.8倍、▽福岡県で1.64倍、▽北海道で1.63倍などと34の都道府県で増えていて、全国的に増加傾向となっています。

専門家「新型コロナとインフルエンザの同時流行と考えられる」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、新型コロナウイルスの流行状況について「全国の患者数は先月、増加のペースが上がったが、このところ少し緩やかになり、ピークを迎えつつあると考えられる。ただ、高齢者の患者数が増えていることが気がかりだ。この傾向が続くと、入院患者や重症者が増え、医療がひっ迫する懸念もあり、油断はできない」話していました。

一方で「オミクロン株の一種で従来のウイルスよりも感染力がやや高く、過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高い『JN.1』という変異ウイルスが国内でも広がっている。感染拡大の要因になりうるので注意が必要だ」と話していました。

また「インフルエンザの患者数は年末に一度減ったが、年明けから『B型』のウイルスが増えていることに伴い、第2波のような形で広がっている。しばらくは増加が続くとみられ、注意が必要だ」と話しています。

そして「いま日本では、新型コロナとインフルエンザの同時流行が起きていると考えられる。手洗いや換気、人混みでのマスク着用、体調が悪ければ外出を控えるといった対策をより心がけてほしい。また、インフルエンザは今後、B型のウイルスが増加するとみられるので、一度感染した人でも、まだワクチンを接種していなければ、ぜひ接種してほしいし、新型コロナのワクチンも高齢者など重症化リスクがある人は積極的に接種してほしい」と話していました。

石川県 新型コロナとインフルエンザとも患者数増加

石川県で2月4日までの1週間に報告された1医療機関当たりの新型コロナの患者数は、県全体で24.52人で、前の週から3.61人増加しました。

保健所の管轄する地域ごとでは、▽能登中部が37.5人、▽石川中央が31人、▽金沢市が26.29人、▽南加賀が10人、▽震度7を観測した輪島市、震度6強を観測した珠洲市、穴水町、能登町を含む能登北部が7.5人でした。

インフルエンザの患者数は県全体で15.07人で、前の週から1.05人増加しました。「注意報レベル」とされる10人を超えています。

保健所の管轄する地域ごとでは、▽金沢市が23.12人、▽石川中央が14.36人、▽南加賀が12.8人、▽能登中部が2人、▽能登北部が1人でした。

石川県では、地震の影響で、調査の対象となっている医療機関の一部でインフルエンザや新型コロナウイルスなどの患者数の報告が困難になっています。

濱田特任教授は「石川県の被災地では、医療機関を受診できず、報告されていない患者も一定数いるとみられ、少なくともこの数以上の患者がいると受け止めるべきだ。被災地に出入りするボランティアなど支援者は、感染を広げないようマスクの着用を徹底するなど、対策を心がけてほしい」と話していました。