プーチン氏“ウクライナ以外攻撃拡大意図なし米は支援停止を”

ロシアのプーチン大統領はアメリカの保守的なテレビ局の元看板キャスターのインタビューに対し、攻撃の対象をポーランドなどウクライナ以外の国々にまで拡大する意図はないと強調しました。そのうえで、「ロシアが敗北するというのは幻想だ」として、アメリカは戦況をめぐるロシアの優位を認め、ウクライナへの支援を即刻停止すべきだと主張しました。

ロシアのプーチン大統領はアメリカの保守的なテレビ局のFOXニュースで看板キャスターだったタッカー・カールソン氏のインタビューに応じ、その映像が8日、公開されました。

この中でプーチン大統領は、ウクライナ以外の国々に侵攻する意図があるかについて、「ポーランドやラトビアなどにロシアの国益はない」と述べ、攻撃の対象をNATO=北大西洋条約機構の加盟国にまで拡大するつもりはないと強調しました。

そのうえで、ウクライナの「非ナチ化」を進めるとして、軍事侵攻を続ける姿勢を示し、「ロシアが敗北するというのは幻想だ。戦闘を止めたいなら武器の供与をやめるべきだ。そうすれば数週間で終わる」と述べ、アメリカは戦況をめぐるロシアの優位を認め、ウクライナへの軍事支援を即刻停止すべきだと主張しました。

そして、プーチン大統領はアメリカ大統領選挙で共和党の最有力候補となっているトランプ前大統領に触れ、「個人的な関係がある」と述べました。

トランプ氏はバイデン政権によるウクライナ支援を批判し、自身が大統領になれば戦争を24時間で終わらせることができるとしています。

カールソン氏はトランプ氏に近い存在として知られています。

プーチン大統領としてはカールソン氏のインタビューに応じることで、トランプ氏やその考えを支持する保守層などに自身の主張を訴え、アメリカの世論に対して影響を及ぼすなど、揺さぶりをかける思惑もあるとみられます。