バスケ女子 日本 スペインに快勝 パリ五輪最終予選の初戦

バスケットボール女子のパリオリンピック出場権をかけた世界最終予選がハンガリーで始まり、日本は初戦で強豪、スペインに86対75で快勝して、3大会連続のオリンピック出場に向けて好スタートを切りました。

日本は9日の第2戦で世界19位のハンガリーと対戦し、勝てば3大会連続のオリンピック出場が決まります。

日本 世界4位のスペインに快勝 3大会連続五輪へ好スタート

ハンガリーで8日に開幕したバスケットボール女子の世界最終予選は4チームが総当たりで対戦し、上位3チーム以内に入ると、パリオリンピックの出場権を獲得できます。

東京オリンピックで銀メダルを獲得し、3大会連続のオリンピック出場を目指す世界ランキング9位の日本は、初戦で世界4位の強豪、スペインと対戦しました。

林咲希 主将

試合は第1クオーターの開始直後にキャプテンの林咲希選手が連続スリーポイントシュートを決めて流れをつかんだ日本が、高さのある相手に対して、粘り強いディフェンスから速攻につなげ、このクオーターを終えて26対18とリードしました。

第2クオーターは相手の高さを生かした攻撃で3点差まで詰め寄られましたが、そこでも林選手がスリーポイントを決めて流れを引き戻し、46対36と10点リードで試合を折り返しました。

第3クオーターも日本は粘り強いディフェンスを続け、オフェンスでは馬瓜エブリン選手や、山本麻衣選手のスリーポイントで得点を重ねました。

第4クオーターの勝負どころでも林選手がスリーポイントを決めた日本は最後までリードを守って、86対75で快勝し、3大会連続のオリンピック出場に向けて好スタートを切りました。

林選手は6本のスリーポイントを決めてチームトップの20得点をマークし、チームを勝利に導きました。

日本は9日の第2戦で世界19位のハンガリーと対戦し、勝てば3大会連続のオリンピック出場が決まります。

《ヘッドコーチ・選手談話》

恩塚ヘッドコーチ「オフェンスでもディフェンスでも走り勝てた」

バスケットボール女子日本代表の恩塚亨ヘッドコーチは「オフェンスでもディフェンスでも走り勝つというところを選手たちがやってくれた。自分たちの時間ではない時間帯もあったが、ぶれることなく戦い抜くことができたと思う」と選手たちをたたえました。

勝てばオリンピック出場が決まる次の試合に向けては「一戦必勝で勝つためにワンプレーワンプレーでチームで力を合わせて戦い抜きたい」と話していました。

林咲希 主将「チームで勝ちきった試合」

キャプテンの林咲希選手は「初戦に勝つことができてほっとしているし、うれしい。チームで勝ちきった試合だったと思う」と話しました。

8本中6本のスリーポイントシュートを決め、20得点をマークした活躍については「正直、試合前は緊張していたが、試合では何も考えずにスペースが空いたら打とうと思っていた。1本目が入ったので2本目も打とうと思い、それが入ったおかげでいい流れを持ち込めたのがよかった。今までの練習でも苦しい場面でしっかり決めることを意識してきたので、決めきることができた」と振り返りました。

馬瓜エブリン「オリンピックを勝ち取りたい」

チーム最多に並ぶ20得点を挙げた馬瓜エブリン選手は「スペインは勝ちたくてしかたがない相手だったのでとてもうれしい。自分がいい時も悪い時も関係なく、チームを鼓舞してプレーするという気持ちで、いい時は盛り上げたいと思っていたので、それができてよかった」と振り返りました。

そして、オリンピックの出場権獲得に向けては「この勢いのまま、日本でバスケットボールを見ている皆さんのためにも、しっかりとオリンピックを勝ち取りたい」と話していました。

◇日本代表 コンセプトは「走り勝つシューター軍団」

世界最終予選に臨む日本代表が掲げてきたチームのコンセプトは「走り勝つシューター軍団」。初戦のスペインとの試合はそのコンセプトどおりのバスケットボールを選手たちが最後まで貫き、世界ランキングでは格上の相手から大きな勝利をもぎ取りました。

今大会に臨む12人の選手たちについて、恩塚亨ヘッドコーチは「献身的にチームプレーができる選手たちが素早く動けて、シュート力があって戦い抜ける」とその強みを分析していました。そして、スペイン戦に向けては「ディフェンスで相手を苦しめて流れをつかむ」と勝利へのポイントを挙げていました。

その試合では第1クオーターから選手たちが豊富な運動量でオールコートを使ったプレスディフェンスを仕掛け、相手に圧力をかけ続けました。

そして、不利な体勢でシュートを打たせたあとのリバウンドでは高田真希選手や赤穂ひまわり選手が体を張ってボールに絡み、平均身長でおよそ10センチ高いスペインに攻撃のリズムを作らせませんでした。

ねらいどおりに粘り強い守備から流れをつかんだ日本は素早いパス回しから持ち味のシュート力をいかして次々とスリーポイントシュートを決め、リズムに乗りました。

日本は40本打ったスリーポイントのうち15本を決め、高さに勝る相手に対してリバウンドの数は35対34と上回りました。

第1クオーターでリードを奪ってからは、一時、3点差まで迫られたものの、相手に一度もリードを許さない快勝でした。

チーム最多の6本のスリーポイントを決め、20点を挙げて攻撃をけん引したキャプテンの林咲希選手は「苦しい場面でも絶対、誰かがシュートを決められたのは合宿中からみんなでタフな練習をやって積み上げてきたものだと思う」とチームへの信頼を口にしました。

林選手と並ぶ20得点をマークした馬瓜エブリン選手は「最初からチーム一丸となって、タフなところを嫌がらずに走り勝った。みんなで走り勝つバスケットとずっと言っていてそれができた」と胸を張りました。

日本は40分間の試合を通して運動量で相手を上回り、相手の高さに対抗するという日本が目指してきたバスケットボールを重要な一戦で最後まで貫き通してみせました。

難敵を破り、パリオリンピックの出場権獲得に大きく前進した日本は世界19位の地元、ハンガリーとの次戦でも“走り勝つバスケットボール”を体現してみせます。