“自己免疫疾患患者に特殊な免疫細胞の増加を発見” 東大など

関節リウマチなど、免疫が自分の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の患者では、これまで知られていなかった特殊な免疫細胞が増えていることを発見したと東京大学などのグループが発表しました。グループでは新たな治療法の開発などにつながる成果だとしています。

この研究は東京大学医学部附属病院アレルギー・リウマチ内科などのグループが国際的な専門誌で発表しました。

自己免疫疾患は免疫が自分の組織を攻撃して炎症などが起きる病気で、中年以降に発症するケースが多いことは分かっていますが、その詳しい原因などは分かっていません。

グループでは関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の患者と健康な人、合わせて354人の血液を分析した結果、これまで知られていなかった、年を取るにつれて増える特殊な免疫細胞を見つけ、「ThA細胞」と名付けました。

さらに、詳しく調べたところ、自己免疫疾患の患者ではこの細胞の性質が健康な人とは異なっていて、自分の組織を攻撃するのを促す働きを持っていることをつきとめたということです。

このため、グループではこの細胞の性質の違いが病気の発症に関わっている可能性があるとしています。

東京大学の岡村僚久特任准教授は「病気を引き起こす免疫細胞を除去したり、健常な細胞に戻したりすることができれば、自己免疫疾患の治療や健康長寿の実現につながると期待している」と話していました。