岸田首相 ケニア大統領と会談 アフリカの食料安保の強化支援

岸田総理大臣は8日夜、日本を訪れているケニアのルト大統領と会談し、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で食料価格の高騰の影響を受けているアフリカ諸国を支援していく考えを伝えました。

会談は8日夜、総理大臣官邸でおよそ50分間行われました。

この中で岸田総理大臣はロシアによるウクライナ侵攻の長期化について、「食料価格の高騰などでアフリカを含め国際社会に大きな影響を与えている」と述べ、ケニアなどアフリカ15か国の食料安全保障の強化を支援していく考えを伝えました。

また、中国が途上国に返済できないほどの貸し付けを行って影響力を増す「債務のわな」にケニアが陥っていることを念頭に、円建て債券の活用や専門家の派遣などを通じて、財政健全化や持続可能な資金調達を後押ししていくことも伝えました。

これに対し、ルト大統領は能登半島地震の被害に対し、お見舞いのことばを伝えたうえで、「日本との連携によって正しい方向に向かうことができている」と述べました。

会談のあと、両者は防衛分野での協力や交流を推進していくための文書に署名しました。

アフリカとの間では初めてだということです。

岸田総理大臣は共同記者発表で「国際社会の分断と対立の様相が一層深まる中、ケニアとの協力はこれまで以上に重要になっている。さらなる協力の強化に向けて緊密に連携していく」と述べました。