隣国タイからミャンマーに支援物資運び込む「人道回廊」設置へ

クーデター後のミャンマーで軍と民主派勢力などとの戦闘が激しさを増す中、隣国のタイから国境を越えて食料などの支援物資を運び込む「人道回廊」が設けられることになりました。

ミャンマーでは民主派勢力や少数民族の武装勢力が軍に対する攻勢を強めていて、OCHA=国連人道問題調整事務所は、260万人の国内避難民が発生しているとしています。

こうした中、タイは国境を越えて避難民に支援物資を届ける「人道回廊」の設置にミャンマー軍と合意し、1月にASEAN=東南アジア諸国連合からも承認を受けました。

タイのパーンプリー外相は8日、西部メーソートの国境にある税関施設を訪れ、「すべての勢力が人道支援のもと一つになり、対話や話し合いができれば暴力の停止につながる」と述べて、支援の意義を強調しました。

タイと国境を接するミャンマー東部は少数民族の勢力の拠点で、周辺では今も戦闘が続いていますが、早ければ3月にもメーソートから100キロほど離れた地域の2万人に、赤十字を通じて食料や医薬品が届けられる予定だということです。

クーデター後、タイには国境を越えてミャンマーから逃れてくる避難民も多く、「人道回廊」の設置は、タイにとっても国境地帯の安定などにつなげたいねらいがあるものとみらます。