欧州の新型コロナへの対応教訓に今後の医療体制考えるシンポ

かかりつけ医が定着しているヨーロッパ各国の新型コロナウイルスへの対応を教訓に日本の今後の医療体制を考えるシンポジウムが8日開かれました。

このシンポジウムは、現在、かかりつけ医の役割についての検討が進められていることから、今後、新たなパンデミックなどの事態に対応できる医療制度について考えようと日本医師会総合政策研究機構が開いたもので、オンラインで配信されました。

この中では、森井大一主席研究員が、かかりつけ医が定着しているヨーロッパ各国の新型コロナ対応についての調査結果を報告し、
▼ドイツでは地域のかかりつけ医が新型コロナの診療を担当し、重症患者を病院に紹介する体制を取ったことで、医療の崩壊を防ぐことができた一方で、
▼イギリスやフランスでは、大きな病院に患者が集中した結果、医療がひっ迫したケースがみられたことなどを紹介しました。

その上で、国内でも発熱外来のような基本的な医療をかかりつけ医が担うなど、役割を明確化しておくことが医療の混乱を避けるために重要だと指摘しました。

森井主席研究員は、「医療者だけでなく患者側からも議論に参加してもらい、一緒にかかりつけ医のあり方を考えていく必要がある」と話していました。