文化庁 能登半島地震による登録有形文化財の被害 現地で確認

能登半島地震による国の登録有形文化財の被害状況を確認しようと、文化庁などの職員が石川県の七尾市と中能登町を訪れました。

文化庁は、1月12日から今回の地震で被害に遭った文化財の調査を始めていて、8日は自治体職員などとともに七尾市と中能登町にある国の登録有形文化財の建物、20軒余りを調査しました。

このうち、古い町並みが残る七尾市の一本杉通りでは、いずれも木造2階建て土蔵造りの、1908年(明治41年)に建てられた「鳥居醤油店」や、1910(明治43年)年に建てられた「高澤ろうそく店」で、壁が剥がれ落ちたり軒先が崩れたりする被害が確認されました。

また、一本杉通りに近い場所にある1921年(大正10年)に建てられ、その後改修された洋風の木造2階建ての「春木屋洋品店」は、建物全体が崩れ落ちていました。

文化庁などは、調査をもとに緊急保全や復旧工事への技術支援などを行うことにしています。

文化庁の清永洋平文化財調査官は「貴重な文化財が残せるよう、支援の方法を検討し協力していきたい」と話していました。

高澤ろうそく店の高澤久社長は「調査を受け、きょうが再建への第一歩です。町並みにあった、歴史を引き継ぐ建物にしていきたい」と話していました。