ロシア大統領選 立候補表明の元下院議員の立候補認めず

ロシアによるウクライナ侵攻を批判し、来月行われるロシアの大統領選挙への立候補に向けた手続きを進めているナデジディン元下院議員について中央選挙管理委員会は8日、一部の署名に不備があったとして立候補は認められないとする判断を下しました。

来月行われるロシアの大統領選挙に向けては、プーチン大統領などあわせて4人が手続きを終え、立候補が認められています。

このほか、ウクライナへの侵攻を批判するナデジディン元下院議員が立候補に向けて、先月31日に必要な10万人以上の有権者の署名を提出していて、中央選挙管理委員会は8日、立候補を認めるかどうか会議を開きました。

会議にはナデジディン氏自身も出席し、この中で選挙管理委員会は、署名にはすでに死亡した人が含まれていたなどと指摘し、およそ9000の署名は無効だと認定したと説明しました。そのうえで選挙管理委員会は、必要とされる署名数に達しなかったとしてナデジディン氏の立候補は認められないとする判断を下しました。

一方、ナデジディン氏は会議のあと記者団に対し、判断は不服だとして最高裁判所に訴える考えを示しました。

ウクライナへの軍事侵攻を批判するナデジディン氏はプーチン大統領に対抗する候補者になるか注目されていて、政権側が警戒を強めているともみられていました。

ペスコフ報道官「重要な要件満たさず」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は8日、ナデジディン氏の大統領選挙への立候補手続きについて「きょう、われわれが中央選挙管理委員会から聞いたのは、多くの署名が無効だったため重要な要件が満たされていないということだ。コメントすべきことはない」と述べました。

その上で「中央選挙管理委員会は、候補者のために定められた規則をきちんと守っている」として、あくまで法令にのっとって判断していると強調しました。