「旧尾崎テオドラ邸」保存活動に協力の漫画家たちが集まる

東京 世田谷区で明治時代に建てられた「旧尾崎テオドラ邸」が取り壊しの危機を乗り越えて3月から公開されるのを前に報道陣に公開され、建物の保存活動に協力した漫画家たちが集まりました。

世田谷区豪徳寺にある明治21年に建てられた「旧尾崎テオドラ邸」は、憲政の神様とも呼ばれた政治家の尾崎行雄にゆかりがあり、地元住民から長く親しまれてきました。

老朽化などから4年半前に解体する計画が持ち上がると、歴史ある建物を残したいと漫画家の山下和美さんなどが中心となって、クラウドファンディングで資金を募るなどして、建物の保存を実現しました。

8日は報道陣に改装した建物が披露され、保存活動に関わった漫画家たちが集まりました。

このうち、「ドラゴン桜」の作者、三田紀房さんは「初めて見た時に、これを残せば何かできると感じました。漫画家を中心に保存活動することに意味があると思い、多くの漫画家に声をかけました」と話していました。

また、「あしたのジョー」の作者、ちばてつやさんは「このすばらしい洋館が壊されることを聞いて、もったいないと思いました。ここから日本の漫画の文化を発信していければいいです」と話していました。

建物は1階部分は喫茶室に、2階部分は漫画家たちの原画をかざるギャラリーに改装し、ファンを楽しませる作りとなっていて、3月1日に一般公開されます。

保存活動を進めた山下和美さんは「この館は自然と一体化していて不思議な力があり、ひきつけられました。豪徳寺の街のシンボルになってほしい」と話していました。