ユネスコ通じ 日本が文化財保護などウクライナ支援へ 署名式

日本がユネスコ=国連教育科学文化機関を通じてウクライナの文化財保護や教育環境の改善などの支援を行うことになり、ユネスコの本部があるフランスのパリで7日、署名式が行われました。

パリにあるユネスコ本部で7日、行われた署名式には、ユネスコ日本政府代表部の加納雄大・大使とユネスコのアズレ事務局長、ウクライナのオメルチェンコ駐フランス大使が出席しました。

式典で、加納大使とアズレ事務局長が文書に署名すると、オメルチェンコ大使が感謝の意を伝えるスピーチを行い、3人で握手を交わしました。

日本側の発表によりますと、日本は、ユネスコを通じて、ことし1年間で、およそ1460万ドル、日本円にしておよそ20億円を拠出し、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナでの文化財保護や教育環境の改善などに取り組むということです。

具体的には、ロシアの攻撃で被害を受けた世界遺産の「オデーサ歴史地区」の修復や保護にあたる人材の育成のほか、軍事侵攻で心理的な負担を受けている児童や生徒に対する心のケアを担う教育従事者の育成などを行うなどとしています。

ユネスコ日本政府代表部 加納雄大 大使

署名式のあと、加納大使は記者団に対し「経済や安全保障だけでなく、文化や教育面での支援を通じて、尊厳のある平和な生活をウクライナの人たちが送れるようにすることがユネスコの重要な役割だ」と述べました。