日鉄 USスチール買収計画 “予定どおり9月までに完了目指す”

日本製鉄によるアメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」の買収計画をめぐって、トランプ前大統領が「私なら即座に阻止する」と発言したことについて、森高弘 副社長は会見で、「十分に理解されて発言しているか疑問に思う」と述べ、予定どおり、ことし9月までに買収の完了を目指す考えを強調しました。

日本製鉄は、アメリカの大手鉄鋼メーカーUSスチールをことし4月から9月までの間に子会社化する買収計画を去年12月に発表しました。

これに対して、アメリカの鉄鋼業界の労働組合が批判する声明を出す中、トランプ前大統領が1月31日、「ひどい話だ。私なら即座に阻止する。絶対にだ」と発言し、11月の大統領選挙に向けた思惑が買収計画の行方に絡む情勢となっています。

これについて、日本製鉄の森高弘 副社長は、7日の決算会見で「トランプ前大統領の発言は承知しているが、取り引きの内容を十分に理解されて発言しているか疑問に思う。アメリカの各産業に広く貢献できると理解いただければ意見も変わってくるだろう」と述べました。

そのうえで「9月を過ぎて11月が近くなると、政治的な懸念が大きくなるので、できるだけ早いタイミングで労働組合とも一致点を見つけ、政治的な動きにストップをかけていくのが重要だと思っている」と述べ、予定どおり、ことし9月までに買収の完了を目指す考えを強調しました。