秋田県内では今年度、クマに襲われるなどしてけがをした人は1月末までで70人に上り、これまでで最も多かった年の3倍以上となりました。
このうち、重傷を負った20人の治療に当たった秋田市の秋田大学医学部附属病院によりますと、負傷の部位は
▽顔が18人と全体の9割を占め
次いで、
▽上半身の腕や肩などの上肢が14人
▽頭が11人
▽下半身のひざやももなどの下肢が8人と
傷は顔や頭が中心だったということです。
顔にけがをした18人を詳しく見ると、
▽3人が片目を失明したほか
▽9人が骨折と診断されたということです。
このほか、傷口に細菌が残り感染症を発症した人が4人となり、完治するまでに2か月近く入院した人もいたということです。
また、襲われたときの記憶を思い出す「フラッシュバック」に苦しむなど急性ストレス障害を発症する人もいて、心のケアが必要な人もいたということです。
治療にあたった土田英臣 医師は「クマによる被害は全身にわたり、複数の診療科で治療に当たる必要があるが、特に顔がねらわれやすく重傷となりやすいことが患者の傾向からもわかった。治療が長期化しやすく元の生活に戻るのが困難になる場合もあるため、クマと出会ったら顔と頭は必ず守ってほしい」と話していました。
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秋田 今年度 クマ被害70人で過去最悪 重傷患者の9割が顔にけが
秋田県内では今年度、クマに襲われるなどしてけがをした人は1月末までで70人に上り、過去最悪となりました。このうち、秋田市の大学病院に搬送された重傷患者の9割は顔にけがを負っていたことが大学への取材で明らかになりました。
今年度のクマ被害200人超 環境省が対策方針提示へ
今年度、クマの被害にあった人は国のまとめでは1月末までで218人にのぼり、統計を取り始めて以来初めて200人を超える過去最悪の被害となっています。
都道府県別にみると、死亡した人は
▽北海道と岩手でそれぞれ2人
▽富山と長野でそれぞれ1人で
合わせて6人に上りました。
また、けがをしたのは
▽秋田で70人
▽岩手で47人
▽福島で15人
▽青森と長野で11人となり
東北地方での被害が7割を占めています。
クマが冬眠するとされる12月以降も被害は出ていて
▽石川で3人
▽岩手で2人
▽福島で1人の
合わせて6人がけがをしました。
クマによる被害が過去最悪となる中、去年11月、北海道や東北の自治体は国に対し、クマをニホンジカやイノシシと同様に「指定管理鳥獣」に追加し、捕獲や調査などにかかる費用を国が支援する対象にしてほしいと要望しました。
こうした要望を受けて、環境省は去年12月に専門家による検討会を立ち上げ、8日、指定管理鳥獣に追加するかどうかについて、検討会としての対策方針を提示することにしています。