旧優生保護法 最高裁に原告らが被害回復につながる判決求める

旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めている裁判が最高裁判所大法廷で審理されるのを前に、原告や弁護団が最高裁を訪れ、被害回復につながる判決を求めました。

7日最高裁を訪れたのは、東京で起こされた裁判の原告、北 三郎さん(仮名)や弁護士などです。

北さんたちは、12万3000人分の署名を提出して被害回復につながる判決を求めたほか、手話通訳や点字の資料など、障害のある人が傍聴しやすい環境の整備も要望したということです。

戦後まもない1948年から1996年まで続いた旧優生保護法のもとでは1万6000人以上が障害などを理由に不妊手術を強制されたとされています。

最高裁判所は、不妊手術を強制された人たちが国を訴えている裁判について、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めていて、年内にも統一判断が示される見通しです。

優生保護法被害全国弁護団の新里宏二共同代表は「旧優生保護法が憲法違反であるという公正な判断を早期に出してほしい。時の壁を越えて全員を救済できるような判断をぜひ期待したい」と話していました。

北さんは、「国から、時間がたっているから認めないと言われるのは納得できません。最後の最後まで頑張って生きているうちに裁判所で良い判決をもらい、亡くなった妻にも報告したいです」と話していました。

弁護団によりますと、これまでに全国の1審と2審で言い渡された18件の判決のうち、仙台高等裁判所が去年10月「差別的な取り扱いで憲法に違反する」として1人当たり1650万円を支払うよう国に命じたほか、大阪高等裁判所も1月「賠償を求める権利はなくなっていない」などとして1審とは逆に賠償を命じるなど、9件が原告の勝訴でした。

一方、賠償を求められる期間が過ぎているなどとして敗訴となった判決も9件あります。