チリ山火事131人死亡 “気象状況も被害拡大の原因”地元研究者

南米のチリで発生し、これまでに少なくとも131人の死亡が確認されている大規模な山火事では、斜面に住宅が密集する場所で大きな被害が出ていて、地元の研究者は、当時の気象状況も被害を拡大させる原因になったと指摘しています。

チリの当局によりますと、沿岸部を中心に発生した大規模な山火事では、これまでに少なくとも131人の死亡が確認されています。

特に斜面に住宅が密集する場所で大きな被害が出ていて、このうち、中部ビニャ・デル・マルにある地区では、一帯が広く焼け焦げ、斜面に建てられたおよそ700軒の住宅のほとんどが被害をうけています。

住宅が全焼したという男性はNHKの取材に対し「当時は風が強く、火のまわりが速かった。逃げるまで2、3分しかなかった」と証言しています。

地元の研究者でサンティアゴ大学のラウル・コルデロ博士は「強い風と高い気温という条件がそろった場合、火災の進行を食い止める手段はない」と話し、当時の気象状況が被害を拡大させる原因になったと指摘しました。

そのうえで「主に人間の活動が気候に及ぼした影響で起きた典型的な現象だ」と話していました。

地元の消防当局によりますと、今回の山火事でいまも連絡がつかない人が300人以上いるということで、捜索が続けられています。