集団避難の中学生 一部戻る 保護者“説明十分でない”市に苦情

石川県輪島市は県内のほかの自治体に集団避難していた中学生の一部が学校側から「避難を終了し市内の学校を拠点とした学校再開を行う」などと伝えられたことから、市内に戻っていることを明らかにしました。保護者からは「説明が十分でなかった」という苦情が市に寄せられていて、市教育委員会が保護者と今後の対応を相談しています。

今回の地震で輪島市内の3つの中学校は授業再開のめどが立たないとして、全生徒401人のうちおよそ250人が県南部の白山市にある県の施設に集団で避難し、現地で学校活動を再開していました。

輪島市教育委員会によりますと、このうちの2つの中学校の校長が先月下旬に学校が再開したことを受けて、生徒の保護者に「白山市への避難を終了する」と電話やメールで伝え、その結果、これまでに19人の生徒が輪島市に戻っているということです。

一方、自宅が被災しているなどの理由で生徒は避難先の白山市にとどまることもできましたが、校長の説明には白山市に残る選択肢はなく、保護者から「説明が十分でなかった」という苦情が市に寄せられているということです。

これについて、輪島市教育委員会の小川正教育長は、6日の市の定例会見で「生徒や家族の意向を十分に確認せずに大変な状況の中、多大な混乱を引き起こし、本当に申し訳ない」と陳謝しました。

その上で保護者と個別に連絡を取り、再び白山市に避難することも含めて、今後の対応について相談していることを明らかにしました。