トルコ・シリア大地震1年 “引き続き復興支援を”日本赤十字社

トルコとシリアで甚大な被害となった大地震の発生から6日で1年です。現地で活動を続ける日本赤十字社の職員は「復興が進んでいるとは言い難い現状が続いていて、引き続き支援をお願いしたい」と訴えています。

去年2月6日、トルコ南部の、シリアとの国境付近でマグニチュード7.8の大地震が発生し、多くの建物が倒壊するなどしてトルコとシリアで5万9000人以上が死亡しました。

日本赤十字社は地震の直後から調整官や薬剤師などの派遣を続けていて、このうち兵庫県にある姫路赤十字病院の高原美貴看護副部長は去年5月からシリアでの支援事業の調整役を担っています。

高原さんによりますと、紛争の続くシリアでは思うように活動できないエリアも多く、建設用大型機械を動かす燃料なども足りないため壊れた建物などは今もそのままで、インフラの復興も進んでいないということです。

高原さんは「現地の状況は厳しいとしか言いようがなく、引き続きシリアに関心を持ってもらい支援してほしい」と話していました。

また、日本赤十字社国際救援課の竹下葉月さんは先月、現地で被災者の聞き取り調査を実施し、生活再建に必要な現金給付などの支援が行き届いていない現状を目の当たりにしたということです。

現地は夏場は40度を超え真冬には氷点下を大きく下回る環境で、仮設住宅への入居は進んでいるものの、十分な住環境とはいえないと感じたといいます。

また、そうした中でも被災した人たちは先月に発生した能登半島地震で被害を受けた人たちを心配したり、祈ったりしてくれる人もいたということです。

竹下さんは「大規模な災害で大切な人や生活のすべてを失った人たちを支えていくための心のケアを含めた長期的な支援が必要だ」と話してました。