岸田首相“企業や団体提供の資金 ルールづくり議論を”

国会は、午後も衆議院予算委員会で新年度予算案の審議が行われ、岸田総理大臣は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて企業や団体から提供される資金に関するルールづくりを議論すべきだという認識を示しました。

教育 前原代表 大学授業料の実質無償化について

▽日本維新の会と会派を組む教育無償化を実現する会の前原代表は、大学授業料の実質無償化をめぐり「財務省に『お金がかかりすぎる』と財政規模を絞られて岸田総理は3人以上の子どもを扶養する世帯を対象とした無償化でお茶を濁している。子ども1人の世帯からやるべきだ」と求めました。

これに対し、岸田総理大臣は「財務省に押し切られているという指摘はあたらない。無償化はもちろん重要だが、教育の質の向上をはじめ、さまざまな政策を組み合わせることで結果につながる。政策の組み合わせが大事だ」と述べました。

共産 宮本氏「政治資金パーティーが献金の抜け穴に」

▽共産党の宮本徹氏は、政治資金パーティーをめぐり「派閥や議員の政治団体は企業・団体献金を受けられない。ところが、パーティー券を買っているのは企業・団体が多数で、事実上、政治資金パーティーが献金の抜け穴になっている」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「企業・団体献金と政治資金パーティーはそもそも献金と事業収入という違いがある。しかし、それも含め企業・団体からのお金についてどのようなルールをつくるのかという議論は行われるべきだ」と述べました。

さらに岸田総理大臣は企業・団体献金のあり方をめぐり、「議論が積み重ねられたうえで今日に至っているが、今回こうした大きな事件が起こったので、今一度、各党・各会派で共通ルールを考え直すことは当然あるべきことだ」と述べました。

また、今の安倍派=「清和政策研究会」の会長をかつて務めた森元総理大臣への聴き取りを行うよう求められたのに対し、岸田総理大臣は「派閥の幹部について聴き取りを行う予定だが、その範囲は事実関係の把握の状況を踏まえ適切に判断していく」と述べました。

これに対し共産党は、森元総理大臣の証人喚問を求めました。

国民 玉木代表 ガソリン税「トリガー条項」について

▽国民民主党の玉木代表は、ガソリン税の上乗せ部分の課税を停止する「トリガー条項」をめぐり「必要なのは岸田総理の政治決断だ。『トリガー条項』発動の決断をきょうここで求めたい。元売り各社への補助が終わる5月からの実施のめどが立たなければ、これ以上協議しても意味がなく、協議の離脱を決断せざるをえない」と迫りました。

これに対し岸田総理大臣は「5月以降の燃油価格の安定が重要だというのは同感だ。今までの議論を振り返ると事務的な対応が可能かという点も大きな論点だったが、新しい提案を頂いたので至急、検討したい」と述べました。

一方、防衛費の増額をめぐり、岸田総理大臣は、円安による影響を問われ「防衛力全体のうち8割から9割は人件費などで、直接、為替の影響は受けない。対外有償軍事援助による調達など為替の変動が直接影響する1割から2割の部分は合理化や効率化に努力し、5年間で43兆円の予算規模と内容は維持する」と述べました。