大阪 踏切で電車と乗用車が接触 工事のミスで遮断機が誤作動

大阪 西成区にある南海電鉄高野線の踏切で6日朝、電車が通過する直前に、下りていた遮断機が上がり、電車と乗用車が接触しました。5日夜行われた線路の工事でミスがあり遮断機が誤作動したということで、南海電鉄は再発防止の対策を進めることにしています。

6日午前6時半ごろ、大阪 西成区橘にある南海電鉄高野線の西天下茶屋1号踏切で、2両編成の電車と乗用車が接触する事故がありました。

乗客10人と乗用車を運転していた50代の男性にけがはありませんでしたが、南海電鉄によりますと、電車が通過する直前に下りていた遮断機が上がったということです。

踏切は西天下茶屋駅から30メートルほどの場所で、電車の運転士が遮断機が上がったことに気付き、非常ブレーキをかけて停車しました。

南海電鉄が原因を調べた結果、現場から600メートル余り離れたところで5日夜行われた線路の枕木を交換する工事でミスがあり、電車の振動などによって踏切の装置に誤った信号が送られていたことが分かったということです。

この事故の影響で、高野線は汐見橋と岸里玉出の間の上下線で運転を見合わせていましたが、南海電鉄は応急的な処置を行い、およそ10時間後の午後4時半すぎに運転を再開しました。

南海電鉄は今後、改めて線路の工事を行うとともに、条件が似たほかの場所についても点検を行うなど、再発防止の対策を進めることにしています。

現場近くの防犯カメラの映像は

現場の踏切の近くにある防犯カメラには、遮断機が上がってから踏切内に車がゆっくり入るのとほぼ同時に列車が踏切に入り速度を落として停車する様子が確認できます。

近所の男性「警笛で目が覚め 外を見たら車が踏切の中に」

近くに住む60代の男性は、「朝の6時半ごろ、電車の警笛で目が覚めた。外をみたら車が踏切の中に入っていて電車は客を乗せたまま止まっていた。ふだんは車も自転車もよく通る踏切で今までこんなことはなくて驚いた」と話していました。

南海電鉄 過去10年間でほかにも2件

南海電鉄によりますと、南海高野線では電車が通過する直前に踏切の遮断機が上がるトラブルが過去10年間でほかにも2件起きているということです。

このうち、大阪 住吉区の沢ノ町4号踏切では2019年5月、作業用の車両が通過する直前に遮断機が上がりました。

この時は車両と踏切を渡ろうとしたタクシーが衝突し、タクシーの運転手が軽いけがをしたということです。

南海電鉄の踏切は、線路に設置されている箱形の装置で電車の接近や通過を検知し、遮断機が下りたり上がったりする仕組みです。

この時は車両側の電気系統の不具合で装置が車両が通過したと誤って認識し、遮断機が上がったということです。

また、堺市堺区の三国ヶ丘1号踏切でも2021年5月、電車が通過する直前に遮断機が上がりました。

事故はありませんでしたが、原因を調べた結果、線路の装置の部品を交換した際に設定のミスがあったことが分かったということです。

南海電鉄と警察は今回も何らかの原因で遮断機が誤作動したとみて詳しく調べています。