イスラエル国防相 “南部ラファで集中的な地上作戦へ”

イスラエルのガラント国防相はパレスチナのガザ地区でのイスラム組織ハマスへの軍事作戦について「ハマスのリーダーがイスラエル軍から逃げ回っている」と主張したうえで、今後、南部ラファで集中的な地上作戦を行う考えを示しました。

イスラエル軍による軍事作戦が続くガザ地区では、地元の保健当局の発表で5日までの死者が2万7478人に上っています。

こうした中、イスラエルのガラント国防相は5日、「ハマスのリーダー、シンワルはイスラエル軍から逃げ回っている。隠れがから隠れがへと移動している」としてハマスのヤヒヤ・シンワル指導者は周囲とコミュニケーションをとることも難しくなっていると主張しました。

そのうえで「最後に残されたハマスの重要拠点があるラファ、そして中部や南部でまだ作戦を行っていなかった場所にもたどりつく」と述べ、ガザ地区の最も南にあり、すでに100万人以上が避難しているラファで集中的な地上作戦を行うことを改めて示唆しました。

一方、パレスチナ赤新月社は南部ハンユニスで5日、赤新月社の本部や運営するアマル病院に身を寄せていたおよそ8000人が退避したと明らかにしました。

赤新月社によりますと2週間にわたり建物の周囲が包囲され、医療物資や食料が枯渇しているほか、赤新月社や病院の幹部がイスラエル側に拘束されているということです。

国連によりますと1月30日の時点で、ガザ地区では36の病院のうち13の病院しか機能しておらずその機能も部分的なものだとしています。

今後、南部への集中的な作戦が展開されることで、さらなる人道状況の悪化が懸念されます。