米軍の報復空爆で国連安保理緊急会合 米とイラン非難の応酬

アメリカ軍が、兵士3人が死亡した攻撃への報復措置として、イラクとシリアにある、イランの軍事精鋭部隊の施設などを空爆したことを受けて、国連の安全保障理事会で5日、緊急会合が開かれました。

この中でアメリカのウッド国連次席大使は「イランは地域全体の緊張を高め続けている」と非難したうえで、「今後もわれわれが選ぶタイミングと場所で自衛権を行使し、イランやその関連組織の責任を追及し続ける」と強調しました。

これに対してイランのイラバニ国連大使は、アメリカ軍の空爆はイラクやシリアの主権侵害だと非難し、「イランが自国の安全を脅かす攻撃や侵略に直面した時は、われわれの権利を行使して断固たる対応をとることをためらわない」とけん制し、アメリカとイラン、双方による非難の応酬となりました。

このほか会合では各国から、アメリカ兵3人が死亡した攻撃を非難し、アメリカによる自衛権の行使を尊重するとした意見が出された一方、アフリカなど一部の理事国からは、アメリカの報復措置は地域の緊張を高めることにつながりかねないと懸念を示す意見も出されました。