ギョーザ ラーメン 消費額“日本一”の称号はどこに?家計調査

毎年 “日本一”の称号をめぐって火花が散る「ギョーザ」や「ラーメン」。

味を競うのではなく、1年間の1世帯あたりのギョーザの購入額や、ラーメンにかける外食費用についてです。

ことしはどこの自治体が“日本一”なったのか。

6日、総務省の家計調査の結果が発表されました。

ギョーザは浜松市が3年ぶりに日本一奪還

毎年、全国の県庁所在地と政令指定都市を対象に行われている総務省の家計調査。

家計調査のギョーザの購入額は、長年、浜松市と宇都宮市が日本一をめぐって激しい競争を繰り広げてきましたが、3年前の調査から宮崎市が2年連続で1位となり、「3強」時代に突入しています。

家計調査で発表されるギョーザは、外食や冷凍食品を除くギョーザの1世帯あたりの購入額です。

ことしの日本一はどこだったのか。

1位は浜松市で4041円、2位の宮崎市が3497円、3位の宇都宮市が3200円で、ご当地グルメの「浜松餃子」で知られる浜松市が、ライバルの宮崎市と宇都宮市を抑え、3年ぶりに日本一の座を奪還しました。

ギョーザ
1位 浜松市 4041円
2位 宮崎市 3497円
3位 宇都宮市 3200円
4位 京都市 2661円
5位 大津市 2489円

浜松市浜名区にある「浜松餃子」の店舗には、昼前から市民が訪れ、焼きたてのギョーザを味わっていました。

夫婦で来店し、ともにギョーザ好きだという男性は、「大好きなのできのうも食べたし、週に1回は食べています。宇都宮のギョーザも食べましたがやっぱり浜松のギョーザがいいなと思います」と話しました。

また、妻は「前回が3位だったので少し心配していました。『浜松餃子』好きとしてはうれしいです」と話していました。

職員から報告を受けた浜松市の観光・シティプロモーション課の須藤俊英課長はライバルの宮崎市や宇都宮市をたたえる姿勢を見せながらも喜びを隠せない様子でした。

浜松市 観光・シティプロモーション課 須藤俊英課長
「浜松市民の餃子愛の強さを改めて感じました。やはり1位はうれしいですが、それ以上に他の市の人たちと連携して盛り上げていきたいです」

2位の宮崎市は「購入頻度」で日本一を誇る

2位だった宮崎市。

6日はギョーザの消費拡大をPRする「宮崎市ぎょうざ協議会」が宮崎空港でイベントを行いました。

ギョーザ購入額では2位となり3連覇とはならなかった一方で、「購入頻度」では4年連続で日本一となったことが報告されました。

会場ではギョーザ100食分が無料でふるまわれ、ことしは再び、購入額と購入頻度の“2冠”に輝けるよう魅力をPRしていました。

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長
「市民の応援のおかげで購入頻度は1位となり誇りに思う。購入額でも全国1位を奪還するためにもイベントなどでPRしていきたい」

3位の宇都宮市「一喜一憂しない」

「ギョーザのまち」として知られる宇都宮市は3位となり、前の年より1つ順位を下げました。

家計調査の「ギョーザ」に含まれるのは、スーパーや惣菜店で売られている持ち帰りギョーザだけで専門店で食べるギョーザをはじめ飲食店のテイクアウトや冷凍ギョーザが含まれないことから宇都宮市などは「実態に即していない」ということで順位にこだわらずに、ギョーザを生かした観光客の誘致や街づくりをしていきたいとしています。

宇都宮餃子会 鈴木章弘事務局長
「これまでどおりこの調査の結果に一喜一憂することなく、ギョーザの街づくりにより一層力を入れ、来た人を満足させる環境を整えていきたい」

「ラーメン」外食費用 山形市が2年連続日本一

日本中で愛されているラーメン。家計調査の対象となっています。

ラーメンなどの「中華そば」で、出前も含め去年1年間にかけた外食費用は、山形市が1世帯あたり1万7593円で、2位の新潟市に2369円の差をつけ、2年連続の日本一を達成しました。

また、記録が残る2000年以降で過去最高額を更新しました。

ラーメン(中華そば)
1位 山形市 1万7593円
2位 新潟市 1万5224円
3位 仙台市 1万3074円
4位 宇都宮市 1万2035円
5位 富山市 1万2017円

6日午前8時半に結果が発表されると、山形市役所に集まった関係者は歓声をあげて喜びを分かち合い、くす玉を割って祝いました。

市内でラーメン店を経営 鈴木敏彦さん
「発表前はドキドキしたがよい結果が出てうれしい。さらに山形のラーメンを強いブランドにしていきたい」

おととしの調査で日本一に返り咲いてから山形市では、「ラーメンの聖地」を宣言し、「山ラー」の文字がデザインされた特製ののぼりやポスターを作ったり、市内のラーメン店の情報をまとめたポータルサイトを開設したりしてPRを強化してきました。

山形市 佐藤孝弘市長
「ラーメンの多様性やおいしさをPRできたことがよい結果につながった。連覇を生かし、山形のラーメンのおいしさを全国に発信していきたい」

新潟市は2年連続2位 市長「来年こそは1位を奪還」

ラーメンで2位となったのは新潟市でした。

おととしの調査で、山形市の9連覇を阻止して日本一になった新潟市ですが、去年に続いて2年連続の2位となりました。

新潟市 中原市長(コメント)
「昨年に続き1位となられた山形市にお祝いを申し上げますとともに、来年こそは1位を奪還できるよう、多様な新潟ラーメンのおいしさや魅力を発信してまいります」

去年の家計調査 1世帯の消費額 29万3997円 3年ぶり前年下回る

総務省が発表した去年1年間の家計調査で、2人以上の世帯が消費に使った金額は、物価の変動を除いた実質で前の年より2.6%減少しました。
前年を下回るのは3年ぶりで、物価高を背景に食費や教育費の支出を抑える動きがみられました。

総務省が6日に発表した去年1年間の家計調査によりますと、2人以上の世帯が消費に使った金額は、月間の平均で1世帯あたり29万3997円と、物価の変動を除いた実質で前の年より2.6%減少しました。

前年を下回るのは新型コロナの感染拡大で外出の自粛が広がった2020年以来、3年ぶりとなります。

内訳を見ますと、「食料」が2.2%減少したほか、学費や塾などの「教育」は9.8%減るなど、物価高を背景に支出を抑える動きがみられました。

また、年末の暖冬傾向の影響で暖房器具の購入が伸びず「家具・家事用品」は7.4%減少したほか、家賃やリフォーム代などの「住居」も6.9%減りました。

一方で、新型コロナの感染症法上での位置づけが去年5月に5類に移行し、旅行需要が回復したことでホテルや旅館などの「宿泊料」は9.4%伸びました。

このほか、去年12月に2人以上の世帯が消費に使った金額もあわせて公表され、1世帯あたり32万9518円と、物価の変動を除いた実質で前の年の同じ月を2.5%下回り、10か月連続で減少しました。