石川 珠洲の牧場 再建へ牛舎の建て替え必要 資金の確保が課題

能登半島地震で被災した石川県珠洲市の牧場は、再建のために傾いた牛舎の建て替えが必要な状況で、資金の確保が課題となっています。

珠洲市唐笠町の山あいにある松田牧場は、合わせて120頭ほどの黒毛和牛と乳牛を飼育しています。

今回の地震で断水が発生し、牧場では、山の湧き水をタンクにためて水を確保していますが、乳を搾る機械などは浄水で洗浄する必要があるため、地震のあと、生乳の出荷はできていません。

県酪農業協同組合の協力で、今後は穴水町から浄水を運んでもらえることになりましたが、生乳を出荷できなかった期間の損失はおよそ350万円にも上るということです。

さらに、地震により4棟ある牛舎のうち1棟が傾いて危険なため、牧場では現在、傾いた牛舎の中にいたおよそ30頭の大半を外に放しています。

牛を放して飼育するのは難しいうえ、屋内で飼育する場所が確保できていないため、牧場では今後、30頭ほどを手放す予定です。

地震の前と同じ規模にまで牧場を再建するために傾いた牛舎を建て替えたいと考えていますが、収入の減少に加え、建て替えにいくらかかるのかも見通せない状況だといいます。

牧場の松田徹郎代表取締役は、「牛舎の再建費用をどうしていくかが今後の課題です。国からの補助を活用しようと思いますが、収入も減っているので、融資をお願いせざるをえないと思います」と話していました。