【詳細】イスラエル首相 “取り引き応じない” (5日)

ガザ地区での戦闘休止と人質解放をめぐる交渉について、イスラエルのネタニヤフ首相は4日「どんな取り引きにも応じない」などと述べ、妥協しない姿勢を強調し、ハマス側をけん制しました。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間2月5日の動きを、随時更新してお伝えします。

ブリンケン米国務長官 中東へ出発 戦闘休止・人質解放など協議へ

ガザ地区では、これまでの死者が2万7365人に上っています。

一方、イスラエルとハマスの間では、戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が進められていて、アメリカのブリンケン国務長官は4日、中東に向けて、首都ワシントン郊外の空軍基地を出発しました。

ブリンケン長官の中東訪問は去年10月にイスラエルとハマスの衝突が始まって以降、5回目です。

今回は8日にかけて、イスラエル、パレスチナのヨルダン川西岸、カタール、エジプト、サウジアラビアを訪れて、関係国などとの間で戦闘休止と人質の解放をめぐる交渉の協議を行います。

交渉を巡って、イスラエルのネタニヤフ首相は4日の閣議で妥協しない姿勢を強調した一方、ハマスのハニーヤ最高幹部は、恒久的な停戦を求める考えを示しています。

ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は4日、ABCテレビのインタビューで「現時点では交渉がすぐまとまるところまできているとは言えない」と述べています。

ブリンケン長官が関係国などとの協議を通じて交渉の進展につなげられるか、外交の動きが注目されます。

また、ブリンケン長官は今回の中東訪問を通じて、ヨルダンでアメリカ軍の兵士3人が死亡した攻撃への報復措置をめぐり、中東の緊張が高まらないよう働きかけを強める見通しで、周辺の情勢が改善するか注目されます。

イスラエル ネタニヤフ首相 ガザ地区 ラファへの攻撃強める構え

イスラエルのネタニヤフ首相は、4日の閣議で、ガザ地区でハマスの部隊の7割程度を壊滅させたと主張した上で、「残る部隊は南部、ラファにいる。われわれはそれに対処する」と述べ、多くの人が逃れ、100万人以上が密集しているラファへの攻撃をさらに強める構えを示しました。

また、カタールなどの仲介でハマスとの間で行われている戦闘の休止と人質解放をめぐる交渉については、「どんな取り引きにも応じないし、どんな代償を払ってまでも合意するつもりはない」と述べ、妥協しない姿勢を強調し、ハマス側をけん制しました。

ハマス側は、ハニーヤ最高幹部が2日に声明を出し、恒久的な停戦を求めていく考えを示していますが、イスラエル側が応じるかは不透明です。

イスラエル軍“ハマスの拠点の1つを攻撃 幹部のオフィス発見”

イスラエル軍は、ガザ地区南部のハンユニスで、イスラム組織ハマスの拠点の1つを攻撃し、ヤヒヤ・シンワル指導者の弟、ムハンマド・シンワル幹部のオフィスを発見したと、4日にSNSで発表しました。

イスラエル軍が公開した映像では、兵士らが、ムハンマド・シンワル幹部のオフィスだとする建物に銃を撃ちながら入り、部屋の中を捜索する様子が確認できます。

また、武器などをつくる作業場もあったとして、屋外に無数に置かれた銃や弾薬のほか、ミサイルなども映されています。