カーリング日本選手権 女子 SC軽井沢クラブが初優勝

カーリングの日本選手権は4日、決勝が行われ、女子はSC軽井沢クラブが最終第10エンドで逆転し、北海道銀行に5対4で勝って初優勝を果たしました。

札幌市で開催されたカーリングの日本選手権は大会最終日の4日、決勝が行われ、女子は、予選リーグ1位の北海道銀行と、去年のこの大会準優勝で予選リーグ3位のSC軽井沢クラブが対戦しました。

今大会で優勝したチームは、来月カナダで行われる世界選手権に出場でき、2年後のミラノ・コルティナダンペッツオオリンピックの代表選考にもつながります。

試合は、序盤から両チームとも精度の高いショットを決めて得点を奪い合い、接戦で終盤に入りました。

SC軽井沢クラブは3対4とリードされて迎えた最終第10エンド、相手のミスなどで逆転のチャンスを得ると、有利な後攻でスキップ、上野美優選手がラストショットで正確なドローショットを決め、2点を奪って5対4で逆転勝ちしました。

SC軽井沢クラブは大会初優勝で、来月、世界選手権の舞台に臨みます。

スキップ上野「ショットのラインが見えていた」

接戦を制して初優勝を果たしたSC軽井沢クラブのスキップの上野美優選手は「予選で負けていた北海道銀行との決勝で、ロースコアで緊張する展開になると思っていた。最後まで諦めなくてよかった」と笑顔で喜びを語りました。

逆転優勝を決めたラストショットについては、「きのうの準決勝で勝負を決めたショットのいいイメージがあったので、個人的にいい流れだった。日本一を決める試合だったが、ショットのラインが見えていたので、仲間を信じて緊張しないで投げることができた」と振り返りました。

来月の世界選手権に向けては「今大会で出た課題を修正して、挑戦する気持ちを忘れずに、日本代表としてがむしゃらに戦いたい」と意気込みを示しました。

SC軽井沢クラブ 合言葉は「新時代の主役になる」

「新時代の主役になる」。女子のSC軽井沢クラブが今大会で掲げた合言葉です。

優勝後のインタビューでスキップの上野美優選手は「オリンピックメダリストのロコ・ソラーレなど、本当に強いチームが集まる中で、挑戦者として挑んで日本一になるぞという意味で、大会前のミーティングから使っていた」と、合言葉に込めた思いを明かしました。

おととしの北京オリンピックで銀メダルを獲得し、この大会3連覇を目指していたロコ・ソラーレが予選で敗退し、スキップの藤澤五月選手が「多くのチームが切磋琢磨(せっさたくま)して日本全体のレベルが上がっていると実感した」と語った今大会。

合言葉を胸に、準決勝と決勝を逆転勝利したSC軽井沢クラブが大事にしたのは「明るく楽しむ」ということ。

ベテランの西室淳子選手は「どのチームよりも楽しもうと決めていた」と語り、意識的に明るい雰囲気を作り上げていきました。

4日の決勝でも、相手の1点リードで迎えた最終第10エンドで、明るく声をかけ合うと、上野選手は投げる前に笑顔を見せてラストショットを決めました。

去年9月からスキップを始めたばかりで、みずから経験不足という上野選手ですが、ラストショット成功の理由について「ミスが出てもチームが暗くならないように、互いに声をかけあっていたので信頼があった。その雰囲気の中でストーンの滑りや曲がり具合の氷の読みなど、ほかの3人が精度の高い声を出し合ってくれるので、準決勝のラストショットからのいい流れで緊張せず投げられた」と話しました。

2年後に迫るミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックにつながる世界選手権に出場するSC軽井沢クラブ。

「世界選手権でもどのチームよりも楽しむ」と話すエンジョイカーリングで、世界の舞台でも「新時代の主役」になれるのか、注目です。