京都市長選挙 自民 立民など4党推薦の松井孝治氏が初当選

16年ぶりに新人どうしの争いとなった京都市長選挙は、自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党が推薦した元官房副長官の松井孝治氏が初めての当選を果たしました。

京都市長選挙の開票結果です。

▽松井孝治、無所属・新。当選。17万7454票
▽福山和人、無所属・新。16万1203票
▽村山祥栄、無所属・新。7万2613票
▽二之湯真士、無所属・新。5万4430票
▽高家悠、諸派・新。2316票

自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党が推薦した元官房副長官の松井氏が、共産党が支援した元京都弁護士会副会長の福山氏らを抑え、初めての当選を果たしました。

松井氏は、京都市出身の63歳。

昭和58年に当時の通商産業省に入省したあと、平成13年の参議院選挙に当時の民主党から立候補して初当選し、鳩山内閣では、官房副長官を務めました。現在は、慶應義塾大学の教授を務めています。

今回の選挙で、松井氏は、子育て支援の拡充や、観光客が集中することでさまざまな弊害が出る「オーバーツーリズム」への対策に取り組むことのほか、京都市と京都府の連携強化の必要性などを訴えました。

そして、推薦を受けた自民党など各党の支持層に加え、いわゆる無党派層などからも幅広く支持を集めました。

松井氏「真正面から市政運営に取り組んでいく」

松井氏は「多くの人に支えられたことに本当に感謝している。これまでの官僚経験や政治家経験などで京都のことを分かっていたつもりだったが、厳しい選挙戦だった。それゆえに率直な有権者の意見を聞くことができた。真正面から市政運営に取り組んでいく。とてもありがたいが、重く受け止めなければならない勝利だ」と抱負を述べました。

福山氏「市民が政治をつくる大きな流れ 実証できた」

敗れた福山氏は「私に願いを寄せた人の思いに応えられなかったことを申し訳なく思う。私が一貫して言い続けてきた市民が政治をつくるという大きな流れを今回の選挙の結果を通じて実証することができたので、この流れを京都でさらに大きくしていきたい」と述べました。

自民 小渕選対委員長「今後の選挙の弾みに」

自民党の小渕選挙対策委員長は「ことし最初となる大型選挙で自民党が支援した候補者が勝利した意義は大きく、今後の選挙に向けた弾みになる。松井新市長には京都市と京都府、そして国との協調のもと、選挙を通じて訴えた政策の実現に向けて全力を挙げていただきたい。政府・与党としても全面的に支援していく」というコメントを発表しました。

林官房長官「国民の意見を聴く貴重な機会」

林官房長官は午前の記者会見で、選挙結果へのコメントは控えるとしたうえで「一般論で言えば、地方選挙は地方経済の発展や住民生活の向上といったさまざまな地域の課題に対して各候補者が実績や今後の取り組みを訴え、地元の皆さんが判断されるものと承知している」と述べました。

そして「選挙は民主主義の根幹で、国民の意見を聴く貴重な機会であり、政府としても選挙を通じた国民の意見にしっかりと耳を傾け、今後の政権運営に生かしていきたい」と述べました。

確定投票率は41.67%

京都市選挙管理委員会によりますと京都市長選挙の確定投票率は41.67%で、前回・4年前の選挙より0.96ポイント高くなりました。